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自転車は何故曲がるのか?-ロードバイクのコーナリング力学

ロードバイクが曲がるメカニズム

自転車は何故曲がるのか?-ロードバイクのコーナリング力学
ロードバイクで曲がるということに意識をした方は少ないのではないでしょうか。オートバイクに乗っていた私からするとペダリングやパワートレーニングについては色々情報が溢れているのに、何故ロードバイクのコーナリングについては詳しい解説がないのだろうと疑問でした。
ロードバイクも二輪車なのでコーナリングにはそれなりの技術と理論が必要です。
当サイトではロードバイクのコーナリングについて理論から実践練習方法まで特集したいと思います。

コーナリングの物理法則を理解する

この世は全て物理法則に支配されています。地上で自転車に乗っている限り、私達は筋力以上に加速することも、速度を一瞬でゼロにすることも、タイヤの能力以上に速く曲がることもできません。物理を超えた運動は不可能なのです。200万円の最新最強のロードバイクであっても物理法則には逆らえません。ロードバイクのアクシデントは多くはコーナリング中に起きます。それはコーナーで物理的力学的に無理のある運動をした結果、起きるべくして起きたのです。
よって、よりスムーズにより安全により速くコーナーを走り抜けるために私達がするべきことは、まずコーナリングを正しく理解することです。そうすればあの時何故転んでしまったのか?が分かります。安全で速いコーナリングが見えてきます。

自転車は何故曲がるのか

自転車は何故曲がるのでしょうか。順を追って説明していきましょう。
走っている自転車には直進し続ける性質があるため、まずは逆操舵によって重心をコーナー内側に送り込みます。曲がる方向とは逆にハンドルを切るというのは信じがたいですが、誰もが無意識に一瞬だけ逆操舵で重心移動のきっかけを作り、ロードバイクを傾けています。
ロードバイクが内側に傾くと、タイヤにキャンバーアングルやスリップアングルが付き、それに伴ってキャンバースラストとコーナリングフォースが発生して、これらを合わせた力で曲がっていきます。自転車の場合、ホイールの径が大きく、タイヤの空気圧が高いため、コーナリングフォースの割合が多くなります。オートバイはタイヤの半径が自転車より小さい上に車体が大きく傾くので、キャンバースラストが大きいです。車はホイールがそれほど傾かないために、コーナリングフォースの割合が多いのです。
ロードバイクは、逆操舵によってコーナー内側に傾いたあと、自動的にコーナー方向にハンドルが切れて、キャンバースラストとコーナリングフォースという2つの力によって曲がっていくのです。

コーナリングを理解するための4つのキーワード

前述のようにロードバイクが曲がる理屈は理解していただけたでしょうか。その中で出てきたキーワードについて解説します。

逆操舵

ロードバイクが曲がるためには重心をコーナーの内側に送り込むことが必要になります。しかしロードバイクには直進し続ける性質があるため、直進しているロードバイクをいきなり傾けようとしても難しいです。特に高速時には大きなジャイロ効果によって、グリップには余裕があるのにロードバイクが傾いてくれず、曲がりきれないことがあります。そこで重要なキーワードとなるのが逆操舵です。曲がりたい方向とは逆にハンドルを一瞬切ることで重心をコーナー内側に送り込み、ロードバイクが傾くのです。バンクのきっかけとして逆操舵を活用することで、コーナーを上手く曲がれるようになります。

トレール

トレール図解写真
ヘッドチューブの延長線上が地面と交差する点と、フロントタイヤの接地点との水平距離をトレールといいます。このトレールのおかげでロードバイクの直進安定性が確保されています。さらにトレールの存在によって、ロードバイクは傾けると傾いたほうにハンドルが曲がる性質を持っています。ロードバイクを傾けるとハンドルが勝手に傾けた方向へ切れるのはこのトレールによるものです。フレームを傾けるとハンドルが切れて、遠心力、ジャイロ効果、ハンドルを押さえる力等が釣り合ったところで安定します。

スリップアングルとコーナリングフォース

ロードバイクの前輪を真上から見た図を想像してみてください。ロードバイクのコーナリング中の前輪の向きは進行方向からわずかに曲がる方向へズレが生じています。このズレ角をスリップアングルといいます。この時前輪のタイヤは路面に押されて接地面がねじれながら回転しているので、コーナー内側に引っ張られるように変形しています。これにより、ロードバイクをコーナー内側に引っ張るような力が発生します。この力をコーナリングフォースといいます。このコーナリングフォースとキャンバースラストの合力が曲がる力となります。ロードバイクはキャンバースラストよりコーナリングフォースの方が大きいです。

キャンバーアングルとキャンバースラスト

キャンバーアングルとキャンバースラスト図解写真
タイヤを傾けて転がすことで傾いた方向に曲がります。この時の傾いている角度をキャンバーアングルといい、このキャンバーアングルがつくことによって曲がる力をキャンバースラストといいます。タイヤがまっすぐ転がっている場合、路面とタイヤはほぼズレずに動いていますが、ホイールが傾くと、弧を描こうとするタイヤ表面とそれより大きな弧を描く路面との間にズレが生じます。それが曲がる力となります。ロードバイクはホイールの半径が大きい上にタイヤが硬いため、路面とタイヤとのズレが小さいです。よってキャンバースラストの割合が低くなります。

ロードバイクのコーナリングのメカニズム

ロードバイクが旋回運動に入るまでの一連の流れを整理してみます。

  1. コーナー直前、ターンインの瞬間は誰もが無意識に瞬間的な逆操舵を行っています。それがきっかけとなって重心がコーナー内側に移動して、ロードバイクがスムーズに内側に傾きます。
  2. 前後のホイールがコーナーの内側に傾く、キャンバーアングルがつくことで、キャンバースラストが発生します。
  3. トレールの性質により、ロードバイクが傾くとハンドルが切れて今度は前輪がコーナーの内側を向きます。それによってタイヤにスリップアングルが付き、コーナリングフォースが発生します。
  4. トレールにはハンドルが切れすぎない性質もあるため、前輪は遠心力やジャイロ効果、ハンドルへの力に応じて自動的にバランスをとります。ロードバイクはキャンバースラストとコーナリングフォースの合力、グリップ力によって定常旋回に入ります。コーナリング中にロードバイクが傾くのは、遠心力に対抗するためです。

ロードバイクも二輪車なので、考え方はオートバイのコーナリングとほぼ同じです。
オートバイに乗った事が無い方はピンとこないことも多いと思いますがまずはロードバイクのコーナリングの理論について理解を深めてもらいたいと思います。

摩擦円とは何か-コーナリング時のグリップ
ロードバイクのコーナリング時に考えないといけないのがタイヤのグリップの限界値です。専門用語で摩擦円と表現されますがこの摩擦円の理論を理解するとコーナリング時のタイヤのグリップを理解することができます。

コーナリング時のタイヤのグリップ摩擦円とは何か?

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