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サイクルイベントにこれから参加する人に向けての心構え

ロードバイクに乗る事が簡単になった事による弊害

サイクルイベントにこれから参加する人に向けての心構え
近年、スポーツバイク特にロードバイクによる事故が増加していっています。ロードバイクに乗る人が増えればそれによる事故も増えるのは当然の事なのですが、ロードバイクを含めたスポーツバイク人口の増加率以上に事故件数が増えていっているといいます。残念ながら今のサイクリストは昔よりも事故りやすいのです。

ロードバイクの事故が増えたのは乗る為のハードルが下がったから

一昔前はロードバイクに乗るためには、ある程度のロードバイクに乗るための技術が必要でした。シフトレバーがダウンチューブに取り付けられているダブルレバーの操作をするため、片手でロードバイクを操作してもう片方の手でダブルレバーを操作してシフトチェンジしなければなりませんでした。また、ブレーキの制動性能も低かったためブレーキレバーをしっかり握らないといけませんでした。ギア比も今とは比べ物にならないくらい重く、重いギア比で坂道を登れないような脚力ならロードバイクに乗る資格は無いと言われるような状況でした。例えるなら、レーシングカーのハンドルやクラッチが重くても誰も文句を言わないのと同じで、ロードバイクとはそういうもので乗るこなすのが難しい自転車なのが当たり前という時代でした。でもそのおかげで自然とふるいがかかって、ロードバイクに乗る人はある程度のスキルを身に着けている人達でした。

技術が進歩したおかげで、現在のロードバイクに乗る環境は誰でも簡単に乗れるようになりました。手元で変速できるシフトレバー、ブレーキの制動性能も格段に向上しました。ギア比もワイドになり、素人でも乗る事ができるスーパーカーとなりました。それはすごい価値のある事です。しかし気軽に乗る事ができるスポーツ自転車というイメージが先行してしまい、ロードバイクを乗りこなすために必要な技術やメンテナンスの重要性が置き去りになってしまっています。

技術が先行してしまい乗り手が未熟なロードバイク業界

ロードバイクが誰でも簡単に乗れるようになったのは、自転車を購入する方法も多様化した事も原因でしょう。昔は小うるさい自転車専門店から買う事が多かったので、嫌でも必要な情報が刷り込まれていました。しかし今ではネット通販や海外通販でロードバイクを購入する人も多く、ロードバイクを安全に乗るために最低限必要な情報に触れる事なく自転車ライフをスタートさせてしまい、知識もスキルもないままに簡単にロードレースやエンデューロ等のサイクルイベントにも出る事ができてしまいます。車のようにサーキットを走るためのライセンスも必要ありません。サイクルイベントに出場すれば気分も盛り上がりますし、集団走行もありいつもよりスピードも出ます。これでは事故が増えるのは当然と言えるでしょう。そういう意味でロードバイクを含めたスポーツバイク業界は、ソフト面で遅れていると言えます。

テレビでも報道されていますが、実際に今年2017年に入って2件の重大な事故が起きています。クリテリウムレースで起きた落車による死亡事故。ロングライドイベント中に起きた崖からの転落事故。スポーツバイク=危ない乗り物というイメージが付きつつあります。
そんな今だからこそ、今一度考えてロードバイクの乗る方たちは安全に走るということに正面から向き合っていかないといけないのです。

ロードバイクによる事故の現実

2016年シーズンにおける落車や事故の状況

●レースA(シリーズ戦)
各レースの平均救護件数:約5件
ケガの状況:鎖骨骨折、肋骨骨折、大腿骨骨折、擦過傷等
原因:集団のスピードの変化に対応しきれず接触、無理なハンドルさばき

●レースB(シリーズ戦)
各レースの平均救護件数:約7件
原因:多くはコーナーで発生するオーバースピードによる自爆事故、またはそれによる巻き込まれた集団落車

●ロングライドイベントC(参加者約2000人)
傷病案件:8件
ケガの状況:鎖骨骨折、肋骨骨折、指の骨折、打撲、擦過傷、脱水症状等
原因:前走者との接触、下り坂での単独落車

●ロングライドイベントD(参加者3000人)
事故件数:4件
ケガの状況:顔面骨折、肩の骨折、打撲、擦過傷
原因:下り坂での単独落車、ロードバイク同士の接触による落車、道路の窪みにタイヤを取られて落車

ロードバイクの乗り手の意識改革が必要

ロードバイク初心者でも気軽に参加できるサイクルイベントとして、ロングライド、ヒルクライム、エンデューロといったイベントがあります。ロードレースの集団走行や落車が怖いので、まずは比較的安全と言われるそれらのサイクルイベントに出場するわけです。しかし、事故はそんなイベントでも起きています。
エンデューロレースが必ずしも安全とは言い切れません。ロードレースは実力別にクラス分けをして技術的な安全を担保していますが、エンデューロレースにはそういったものがありません。技術レベルがバラバラの人が一斉に走るので、むしろロードレースより危険な場合もあります。実際にエンデューロレースで何件も重大な事故が起きています。
ヒルクライムレースも同じです。上りだけなら安全かもしれません。しかし上った後の下りで重大な事故がたびたび起きています。ロングライドイベントでも、出場するハードルが低いために様々なトラブルが発生しています。サイクルイベントを安全なものにするためには、主催者が配慮するだけでは無理があります。どんなにコースを安全にしても、どんなに工夫をしても事故は起きてしまいます。サイクルイベントから事故をなくすには、乗り手の意識を変える必要があるのです。
アクシデント無くサイクルイベントを楽しむためには、自分だけは大丈夫とか、自分は事故には遭わないという根拠の無い思い込みを捨てて自分の走り方を見直す事が必要です。

サイクルイベントに出る為に抑える基本

ロードバイクに興味を持って将来的に色々なサイクルイベントにも出場してみたいと考えている方は、まずどんな準備をすればいいのか基本となる事柄を抑えていきましょう。

イベント参加に合ったロードバイクを手に入れる

当サイトを頻繁に訪れてくれているユーザーの方には、何を今更と思いますがファーストステップはサイクルイベント参加に耐えうるロードバイクを購入することです。ネット通販等ではロードバイクの見た目をした安価なロードバイクもどきの自転車が多くあります。そういった自転車は高速で走ると安定しなかったり、ブレーキの制動性能も低かったりと一般の自転車と似たり寄ったりな性能の自転車となっています。レース等のサイクルイベントに出るとなると走行距離も走行時間も増えますし、スピードも負荷も高くなります。当然、強くブレーキをかける事も多くなります。サイクルイベントでは自転車に普段以上の負荷がかかることになります。性能の低いロードバイクが一台走っているだけでも事故の原因になりうります。サイクルイベントに出場するなら、スポーツバイクとしての性能をきちんと備えている事が最低条件です。知識が無い人でしたら、ネット通販ではなくスポーツバイクを専門に取り扱っている専門店で買うべきでしょう。専門店では知識豊富なスタッフの方に相談して、自分の目的を伝えてどのくらいの性能のロードバイクが必要なのかというのをアドバイスしてもらいましょう。

安全に乗りこなせるまで練習する

性能の高いロードバイクを手に入れたからといって、すぐにサイクルイベントに参加していいというわけではありません。きちんとしたロードバイクを購入しても、サイクルイベントに出場する前にやっておくべき事があります。セカンドステップはロードバイクに慣れる事です。ロードバイクの挙動やフォームはシティサイクルとは全くの別物です。サイクルイベントに参加する前に練習期間を設けて、可能であればスクールに参加したりレッスンを受けたりしてロードバイクのコントロール法を習う事が必要です。

安全に走るために自制心を身につける

ロングライドの下りでの単独事故やロードレースやクリテリウムでのコーナーの落車事故は、そのほとんどがブレーキングミスによるものが大半です。要するにオーバースピードによるスリップダウンです。コーナーで落車する=コーナリングが下手だと思っている人が多いと思いますが、コーナリングがいくら上手くても、オーバースピードでコーナーに進入すれば必ず転倒します。コーナリングが下手だから転ぶのではなく、オーバースピードだから転ぶのです。怖いと思ったらそれはもうオーバースピードです。減速しなければいけません。これ以上は行ってはいけないと自制心を働かせるべきです。しかし、イベントではオーバースピードでコーナーに突っ込んでしまう人が多いです。自分の心にブレーキがかかっていないということです。自制心があればテクニックがなくても事故は起きません。例えレースだとしても、常に8割から9割の力で走るくらいの余裕を持っておきたいところです。実力を100%使ったら事故が起きる可能性が極めて高くなります。ロードバイクで一番必要なのは自制心です。

ロードバイクを安全に楽しむために

ロードバイクの技術が進歩して、今は誰でも気軽にスポーツとしてロードバイクに乗る環境が整ってきました。しかし、ロードバイクと一般の自転車ではサドルの高さであったり、ハンドルが低い事による視界の違いであったり、タイヤが細い事によるロードバイクの挙動の違いによりロードバイクを安全に走らせるためにはある程度の練習が必要です。性能の高いロードバイクはお金さえあればいくらでも性能の高いロードバイクを手に入れる事はできますが、ロードバイクを安全に走らせるためのスキルは、まずは乗って、慣れて色々と練習しないと身につきません。良いロードバイクを手に入れたからといってすぐにサイクルイベントに参加できるわけではありません。落車や転倒をせずに安全にロードバイクを走らせる事ができるようになってからサイクルイベントに参加するようにしないと、自身のロードバイクスキルが追いつかずに思わぬ事故に遭うリスクを負う事になります。これから夏から秋にかけて全国で多くのエンデューロ、クリテリウム、ロングライド、ヒルクライム等のサイクルイベントが開催されます。今年ロードバイクを購入して早速サイクルイベントに参加したいと考えている方も多いと思います。しかし、まずは事故なく安全にサイクルイベントを楽しむために基本となるロードバイクの乗り方、止まり方、コーナリング等の練習をしてからサイクルイベントに参加してイベントを楽しんでもらいたいと思います。

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