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インターバルトレーニングのメカニズム-40歳からでも速くなる方法

インターバルトレーニングのメカニズム

インターバルトレーニングのメカニズム
インターバルトレーニングはエンデューロ能力を向上させます。それは、エネルギー供給力の強化と言い換える事ができます。では、何故インターバルトレーニングがエンデューロ能力の向上に繋がるのか説明していきます。

ポイントは酸素を筋肉へ運ぶ能力

筋肉には2種類あります。速筋と遅筋というものです。では、速筋と遅筋はどのようなエネルギーで動いているのでしょうか。実は、速筋と遅筋ではエネルギーの元となる物が異なります。
速筋は、グリコーゲンという糖分を細かくしたグルコースという物質を取り込み、酵素で分解します。グルコースを分解した時に生まれるエネルギーで動きます。一方、遅筋は速筋がグルコースを分解したときに出る物質、乳酸等を取り込んで燃やします。そうすることで遅筋はエネルギーを作り出しているのです。
問題は、速筋がエネルギーを作る時に出る副産物である乳酸です。速筋で大きな力を出すと、乳酸が大量に作られます。実は速筋がエネルギーを作る際に必要な酵素は、酸に弱いのです。乳酸の発生が増えて、筋肉が酸性に傾くにつれて、速筋の酵素は働く力を低下させてしまいます。そうすると速筋でエネルギーは作られません。大きなパワーを出す速筋が動きにくくなってしまい、パワーの小さい遅筋だけで頑張るしかなくなるわけです。だから出力が下がってしまうのです。
高い出力を出し続けるためには速筋を使わなければなりません。しかし、速筋が頑張ると乳酸が大量に発生して、筋肉は酸性になります。すると速筋がエネルギーを生まなくなって出力が落ちてしまいます。全力でダッシュすると40数秒しか持たない理由はそこにあります。

遅筋を鍛える事で乳酸を効率的に使えるようになる

速筋で大きな力を発揮すると、乳酸が大量に発生します。この大量の乳酸を除去することができれば速筋を動かし続ける事ができます。つまり、遅筋が乳酸を燃やす能力を上げれば良いということになります。高い出力を長時間保つために必要なのは、遅筋が乳酸を燃やす能力を上げる事です。エンデュランス能力は、遅筋の乳酸処理能力にかかっているというわけです。この遅筋の乳酸処理能力を上げるにはどうすればいいのでしょうか。
速筋はダッシュやウェイトトレーニングなどで太くすることができます。一方、遅筋の乳酸処理能力を上げるには、乳酸を燃やすために必要な酸素をたくさん供給すればいいのです。呼吸をすると肺に空気が入ります。肺で酸素を血液に取り込みます。すると、赤血球が酸素を抱え込んで身体中に運びます。つまり、血液中の赤血球の数が多いほうがいいことになります。筋肉に酸素を供給するのは赤血球なのですから。
遅筋の乳酸処理能力を高めるということは、酸素を取り込む能力と酸素を運搬する能力を高める、血液中の赤血球の数を増やすことです。そうすると、速筋を使ってたくさん乳酸ができたとしても、遅筋でガンガン乳酸を燃やすことができるので、速筋が動き続ける事ができます。結果、高い出力を長時間出し続けられるようになるのです。

血液中の赤血球の数を増やすにはどうすればいいのか

エンデュランス能力の向上には、速筋で大量に生産された乳酸を遅筋で燃焼する必要があります。そのためには酸素の供給能力と血液中の赤血球の数を増やして身体中に効率よく酸素を運ぶ能力の向上が必要です。では、どうすれば血液中の赤血球の数を増やす事ができるのでしょうか。血液は、肺で酸素を受け取ったり、腸で吸収した栄養分を取り込んで運んだり、いらない物質を回収したりしながら身体の中を回り、腎臓でろ過されます。腎臓で必要なものを再吸収して、必要ない物質は尿にして排出するわけですが、ポイントは腎臓には血液中に流れている酸素の量をチェックするセンサーがあるということです。
この腎臓の酸素をチェックするセンサーが、血液中の酸素の量が少ないと判断すると、酸素が少ないから赤血球を増やせという信号が骨髄に送られて、骨髄が赤血球を増産します。その信号の名前を何というかご存知でしょうか。エリスロポエチン、いわゆるEPOと呼ばれています。

高地トレーニングは赤血球を増やすのが目的だった

空気の薄い高地でトレーニングをする理由もここにあります。空気が薄いため体内の酸素量が少なくなり、結果として血液中の赤血球が増産されます。しかし、社会人サイクリストがEPOを打つわけにはいきませんし、会社帰りに高地トレーニングするわけにもいきません。
赤血球を増やすためには、腎臓のセンサーに酸素が少ないですよという信号を送ればいい事になります。具体的には、運動して酸素をどんどん消費して、意図的に酸素が足りない状況を作り出します。そこで登場するのが、インターバルトレーニングです。インターバルトレーニングなら、酸素が少ないという状況を効率的に作り出す事ができます。大きな負荷をかけて酸素をたくさん使って酸素が足りない状態にします。ちょっと休憩して、また運動をして酸素を消費して酸素が足りない状況を作ります。それを繰り返せば、酸素がギリギリまで減るという状況が何度も訪れます。すると、腎臓には何度も酸素が足りないという信号が入ります。そうすると赤血球が増産されます。これがインターバルトレーニングの目的になります。

インターバルトレーニングの目的

エンデュランス能力を高めるためには、身体に負荷をかけて、腎臓に酸素が足りないという信号を何度も送る事が必要になります。インターバルトレーニングとは、この酸素が足りないという信号を効率よく送ることができるトレーニング方法なのです。

インターバルトレーニングするとどうなるか

インターバルトレーニングは、最大パワーや瞬発力を上げるためにやるトレーニングだと思っている人も多いと思いますが、それは勘違いです。エンデュランス能力の向上に効果があるトレーニングなのです。みんな最大パワーが上がると勘違いしてしまうのです。確かに、インターバルトレーニングを実践するとパワーも上がります。乳酸カーブという縦軸が血中乳酸濃度、横軸が出力とするグラフで表すと、安静時は乳酸が少ないですが、運動を始めると乳酸値が増えていきます。出力を高めれば速筋の出力割合が増えて、乳酸の発生割合も高くなり、血中の乳酸濃度がどんどん上がります。だいたい血中乳酸濃度4ミリモルのところまでは、遅筋繊維が乳酸を処理できると言われています。ここが1時間以上運動を続けられる指標、いわゆるFTP値と言われます。この4ミリモルを超えると、遅筋の乳酸処理能力が追いつかなくなって血中の乳酸濃度が急激に上がり、運動能力が低下してしまいます。インターバルトレーニングをすると、遅筋の乳酸処理能力が上がるので、この血中乳酸濃度の上昇カーブが緩やかになり、遅筋で乳酸を処理する能力が向上して長時間運動し続けられる時間が延びるのです。
遅筋で乳酸を処理する能力が向上すると、速筋を使って出し続けられるパワーが高くなります。だから、パワーメーターを使ってトレーニングしている人は、インターバルトレーニングをするとパワーが上がったと思うのです。しかしそれは、瞬間的な最大パワーが上がったのではなく、遅筋の乳酸処理能力が高まったため、高いパワーをより長時間維持できるようになったという意味になるのです。インターバルトレーニングによって向上するのは、最大パワーではなく遅筋の乳酸処理能力なのです。

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