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骨盤の安定性と柔軟性がポイントクランク長の選び方

骨盤の安定性と柔軟性がクランク長選びのポイント

骨盤の安定性と柔軟性がポイントクランク長の選び方
クランク長は身長などでは決まりません。定説では身長の10分の1などと言われてきましたが、実際は身長や股下の寸法ではクランク長は決まりません。クランク長を選ぶ際にまず注意するべきポイントは、ペダリング時に骨盤が安定しているかどうかです。クランクを長くすると、長くした分脚を高く持ち上げなければいけなくなるので、骨盤が左右にローリングしやすくなります。それでは力が逃げてしまい効率的なペダリングはできません。意識するべきは、上死点で脚がスムーズに回るかどうです。

脚の筋肉が一番力を出せる角度がポイント

人間の筋肉は動かす角度によって出せる力が違います。例えば腕は、ピンと伸ばした状態でも一番曲げた状態でも大きな力は出せません。最大パワーが出るのは適度に曲げた時です。脚の筋肉も同じです。最も力を出しやすい角度になるようにクランク長を設定するべきなのです。
ロードバイクメーカーのトレックでは、プレジション・フィッティングというサービスを実施していて、そのプレジション・フィッティングでは、ペダル位置が下死点の時に膝の角度が140度から150度になるポジションが良いとされています。しかし、ロードバイクはピンポイントで力をかけるのではなく、12時の位置から3時までという範囲で力をかける乗り物なので、クランク長やポジションを踏む時に力を発揮しやすい範囲に設定する事が重要になってきます。
クランク長が長すぎると、その力を発揮しやすい範囲を外れてしまいます。その最適な範囲は関節の柔軟性や筋肉の柔らかさによって変わるため、人それぞれです。自分だけのスイートスポットを見つけるには、フィッティングサービスを受けるか、地道に試していくしかありません。

やはりクランク長は人それぞれ

クランク長の長さを決めるには、クランクの長さだけではなく、現在の自分のライディングフォームや身体の柔軟性などを含めて総合的に考えることも必要です。前回の記事でクランク長を短くすることについてのメリットを取り上げましたが、ではどこまでもクランク長を短くすればいいのかというと、それも違うのです。クランク長が短すぎると、今度は至適筋節長に至らなくなり、ダイナミックな動きができずに特定の筋肉ばかりを使うことになり、それはそれでペダリング効率が悪くなります。最適なクランク長を選び、股関節周りの柔軟性も高めていくといった、機材とフィジカルの両方からアプローチすることが有効になります。また、クランク長を変えると、サドル高やサドル前後位置、ハンドルの高さ、ステム長など、全体のポジションも変わってくる可能性が高いので、面倒臭がらずにクランク長に合わせてロードバイク全体を調整していく必要があります。基本は、サドルトップとペダルの下死点の距離を統一することです。
ありがちな結論になってしまいますが、サドル選びやポジション調整と同じで、クランク長選びも骨盤の動きや柔軟性を意識しながら、自分で試行錯誤するしかありません。もしくは、プロショップでフィッティングサービスを定期的に受けて、現状の自身の身体の柔軟性に合ったクランク長を選ぶしかないのです。

ペダリング時に骨盤が安定しているかを見る

クランク長を決める一つの判断材料としては、ペダリング時に骨盤がローリングせず安定しているかどうかです。クランク長が長すぎると上死点で脚の太ももが通過する時に骨盤が左右に揺れたり上下に動いてしまいます。身長が160cmくらいの人が185mmの長いクランクを使用すると、上死点で脚を通過させるために腰が左右にブレて、結果として骨盤がサドル中心からブレてしまいます。逆にクランク長155mmの短いクランクを使用すると、上死点でも脚が無理なく通過することができて骨盤はサドル中央からブレずに安定してペダリングすることができます。

骨盤の安定は推進力に繋がる

骨盤を安定させるという点で、まず重要なのは股関節周りの柔軟性を上げることです。しかし、柔軟性というものは簡単に変化するものではありません。また、人の身体には何かしらの歪みがあります。例えば、一度右足にケガをしてしまうと、身体はそれをかばうように左足に負荷がかかります。その連鎖によって身体のバランスは傾き、痛みや違和感が出やすいポイントというのが出てきます。ですので、普段から意識をして身体の柔軟性を上げて、身体を矯正していく必要があります。

身体の柔軟性とフィッティングの関係

身体の柔軟性を上げるための解決策として、まずヨガやストレッチをすることをおすすめします。近年サイクリストの間ではヨガが注目されていて、ヨガを行うことによって硬い筋肉をほぐすとともに、それを補助している筋肉を強くもしてくれます。そのうえでフィッターは、その人がどの程度の柔軟性を持っていて、そして身体にどんな傾向があるかというリサーチからフィッティングをスタートします。そこから各ポジションを変更させていきます。走った際の痛みや不快感は、発生してから処置するよりも、ロードバイク側のセッティングにより原因を解消させる事が重要なのです。クランク長の変更というのは、フィッティング要素の一つにすぎないとも言えますが、それでいて大きな効果があるポイントであるということも事実なのです。

クランク長を短くする事を恐れない

例として身長175cmで普段170mmのクランク長を使っているサイクリストが、155mmから185mmのクランクを試してみるとどうなるのでしょうか。クランク長を変えると、ペダリングはどう変わるのでしょうか。
フィッティングマシンのクランク長を普段と同じ170mmに設定して、ケイデンス90で出力200Wでペダリングしてみます。プロのフィッターが脚の回り方をチェックしてみると、開口一番お尻が跳ねていますねと一言。脚が上死点を通過するたびに骨盤が左右に傾いているのです。上死点で骨盤が不安定になるうえ、膝が横に開く動きも出ています。股関節がちょっと硬いようです。これではペダリング効率が悪いです。この場合、このサイクリストにはクランク長170mmは長いということになります。

クランク長を長くするとどうなるか

クランク長を長くして、185mmにしてペダリングしてみるとどうなるのでしょうか。ペダリングのたびに股関節からお腹周りに圧迫感があり、上体が大きくブレてしまっています。クランク長170mmの時と同じパワーとケイデンスでペダリングしているにも関わらず、筋肉に負担がかかっているのを感じることができます。上死点での膝の角度をチェックすると、約40度と大きく曲がっています。これでは、上死点をスムーズに通過することはできません。

クランク長を短くするとどうなるか

次にクランク長を短くして、155mmにしてペダリングするとどうなるのでしょうか。上死点での膝の角度は約43度まで広がりました。力を入れなくても脚がスルスルと回る感じを受けることができます。ふくらはぎから下が自動で回っている感覚を受けます。確かに回しやすいのですが、しかし脚の動きが小さすぎて違和感を感じます。

クランク長を165mmにするとどうなるか

そして最後に、クランク長を165mmにしてペダリングするとどうなるのでしょうか。骨盤が安定してペダリングできるようになりました。上死点での詰まりがなくなったのでパワーロスも減るでしょう。このサイクリストの場合は165mmのクランク長がベストということになります。

クランク長選びのチェックポイント

クランク長を選ぶ時のチェックポイントは

  • 股関節の柔軟性
  • 足首の柔軟性
  • 膝と足首の角度
  • ペダリング時のフィーリング

ロードバイクのクランク長が、自身に合っているどうか確認する方法としては、軽いギアで100ケイデンス程度の高回転でペダリングをした時に、サドルの上でお尻がぴょんぴょんと跳ねていないか確認することです。お尻が跳ねているということは、上死点で骨盤が左右に傾いているということです。身体の柔軟性は人それぞれですので、一概には言えませんが172.5mmのクランク長から170mmに変更するだけで、ペダリングが劇的にスムーズになる可能性はあります。クランク長を変更した際には、サドルトップからペダル下死点までの距離を一定にするために、サドル高をmm単位で調整することを忘れてはいけません。

クランク長はmm単位の変更でも効果がある

クランク長を5mm短くしてペダリングがスムーズになった理由については、専門家はこう分析しています。クランクを短くすれば、12時から3時のエリアを小さく回せるので、引き脚時のパワーロスが減る可能性が大きいのです。同じパワーを出していても、引き脚時のマイナスのパワーロスが少なくなれば、パワーを打ち消さないので、結果として速く走れることになります。トレーニングでパワーアップするよりも、クランク長を見直してパワーロスを消すほうが早道という考え方もあります。短いクランクはパワー面で不利というマイナスイメージがあるかもしれませんが、怖がらずにぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。

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