Last Updated 2021.01.24
ブルベは長距離サイクリングイベント
出典:http://www.randonneurs.bc.ca/
ブルベはフランス語で認定を意味します。
最低でも200kmのルートをロードバイク等の自転車で制限時間内に完走するという長距離サイクリングイベントです。
ここで何故イベントと言っているのは、ブルベは競技やレースではなくあくまで一般公道を使用した長距離サイクリングのことを指すからです。
ブルベの参加者は一般公道を普通にサイクリングしているわけですから当然参加国内の交通法規を遵守しないといけません。
オダックス・クラブ・パリジャン(ACP)
ブルベについて理解を深めるために歴史について少し触れていきましょう。
オダックスは1897年にイタリアのサイクリストがローマからナポリまで230kmを1日で走ったことから始まりました。当時の道路事情や自転車の性能から考えると、オダックス(Audax)意味は大胆なものだったということになります。
日の出から日没までに200km走破できるサイクリストのことをオダックスと言ったそうです。
このオダックス(Audax)という長距離サイクリングを1904年、ツールドフランスの創始者であるアンリ・デグランジェ(Henri Desgrange)がフランスに導入しました。それがACP(Audax Club Parisien オダックス・クラブ・パリジャン)の始まりです。
ACP自体もフランス・パリのオダックス組織の一つで、世界中のブルベ組織をまとめるためにランドヌール・モンディオ(RM)という組織があります。
ランドヌール・モンディオ(RM)は世界中のAudaxをまとめるために1983年に創設されたそうです。
ACPは1904年から16年間Audaxイベントを実施してきていました。しかしACPとアンリ・デグランジュとの間に軋轢が生じてデグランジュはACPからオダックスの認定権を剥奪してしまいます。
オダックスの存続を望むメンバーはACPを脱退してデグランジュとともに別の組織を設立してBrevet Audaxを実施するようになりました。
BRM(Brevet Randonneurs Mondiaux ブルベ)の創設
ACPに残ったメンバーは1921年に個人個人が自由な速度で走るスタイルのBrevet de Randonneurs Francaises(現在のBrevet Randonneurs Mondiaux ブルベ・ランドヌール・モンディオ)ブルベを開催するようになりました。
日本で開催されるブルベ(BRM)はACPから公認を受けて、日本のAudax Japan(オダックス・ジャパン AJ)がACPから委託されて主催しているものがほとんどです。
ブルベ(BRM)のカテゴリー
ACPとRMから認定を受けた200km・300km・400km・1000km・1200kmとそれ以上のカテゴリーがあります。
完走認定は距離によって全てACPとRMが実施します。そしてブルベを完走した記録はACPとRMが認定して記録として公表され未来まで世界に残ります。
ブルベは競技やレースではなくランドネである
ランドヌールはランドネ(フランス語でハイキング等の小旅行)をする人のことを指します。自転車でランドネする場合にはサポートがない長距離サイクリングを意味します。天候の変化やミスコース、メカトラブル、公道を走るため交通事故のリスクも生じますがそれらは全て自分で対処しなければなりません。
補給やリタイヤした時の回収車もありません。あらゆる事態に自力あるいは走者同士で助け合いながら完走を目指すのがランドネであり、フランスはもちろんですが欧米では伝統のあるサイクルスポーツとしてなじまれています。
ブルベはランドネであり、ブルベ(BRM)開催中でも参加者は私的な走行をしているとみなされており、主催者(AJ及びその関連団体主催者)は責任を負いません。
ここが他のロードバイクのイベントやレース、競技とは違う点です。あくまでも私的な長距離サイクリングであるということです。
ランドネの精神を理解してACPが定めたBRM規則と各国の交通法規、これらを遵守して他人に迷惑をかけないように十分配慮すればブルベ(BRM)の楽しみ方は自由です。走っているコースの景色を楽しんだりコース周辺の名物料理を堪能したり、ひたすら走り続けるのも自由です。
ブルベ(BRM)の制約
ブルベ(BRM)には厳しい制約があります。
それは営利目的でブルベを開催してはならないということです。
日本のAJ以下各地のBRM主催団体もすべてブルベを実際に走る人たちが集まってボランティアで開催しており、そこには商業イベント的な要素は一切ありません。