Last Updated 2021.01.26
PBP パリ・ブレスト・パリ
フランスのパリからブレストまでを往復する1200kmのブルベでPBPと呼ばれています。
1891年に最初に開催されており、ツール・ド・フランスよりも歴史が古く最古のサイクリングイベントです。
ブルベの最高峰に位置づけられていてブルベをやっている方なら誰でも憧れるイベントです。
PBPの歴史
PBPは最初はプロのロードレースでした。7回目の1951年大会からアマチュアサイクリストによる時間制限のブルベ形式に変更されました。日本人で最初に参加したのはカナダから参加した日本人が初とされており、日本国内からの参加は2003年の15会大会からとなっています。
PBPはアマチュア化してから参加者が急激に増え続け、2011年は5000人余り、次の開催2015年には6000人余りが参加したといわれています。日本からの参加者は2011年は約160名、2015年は約200名参加したといわれています。
次回は2019年開催です。日本からはどのくらいの人数が参加するのでしょうか。私も一度は参加してみたいと思っていますがオリンピック並に厳しいと思っています。
PBPへの参加資格
ブルベへの参加はACP規定通りならば20歳以上なら誰でも参加できるのですが、PBPに関しては例外でPBP開催年中にシューペル・ランドヌール(SR)の称号を受けていないと参加が認められません。
シューペル・ランドヌールとは同一年に200km、300km、400km、600kmのブルベを同一年に完走認定した人に送られる称号です。
PBPは毎年8月開催で本エントリー確定は7月頃なので、遅くても6月までには200kmから600kmまでのSRを確定しておかないといけないことになります。
PBPは4年に一度のお祭りサイクルイベント的要素も結構あるのですが、参加者達は最低でも600kmは走破できる実はとんでもない猛者達ということでもあります。
PBPのコース
PBPのコースはパリ郊外のサン・カンタンで、そこから西のブレストまで約600km走って往復してくるコース設定になっています。
コース自体日本のような峠は無いのですが、ずっと丘陵地帯のアップダウンが続きなだらかな登りとなだらかな下りを繰返し獲得標高はおよそ10000mくらいあるといわれています。
またフランス自体緯度が高く北海道に相当するくらい北の地方なので昼間と夜間の寒暖差が多いため寒さ対策等が重要になってきます。
上図はPBPのコースルートと大まかな距離の図です。
PBPは夕方の16時スタートの80時間制限のグループからウェーブスタートして17時から90時間制限の参加者や特殊自転車等のグループ、翌朝に84時間制限グループがスタートする感じで約6000人ものサイクリストが一路ブレストへ走り出します。
80時間制限グループはガチグループが多くほぼ徹夜で2日から3日間ぶっ通しで走りきる人達です。
17時スタートの90時間制限のカテゴリーでの走行計画を例にしてみましょう。
初日17時スタートで、まず仮眠を取る地点は多くの参加者は445km地点のルディアック(Loudeac)です。
平均時速25kmとしても18時間から20時間ぶっ通しで走る必要があります。フランスは日没が20時頃と遅いですがいきなり夜間走行になります。
初日の深夜から明け方ごろにルディアックに到着することになります。ここで多くの参加者がシャワーや仮眠をとります。
PBPではPCを公民館や学校等の施設に設定しているところが多くシャワーや仮眠施設を有料ではありますが借りることができるみたいです。
ルディアックで仮眠を3時間程取ったらブレスト(Brest)から折り返し、ルディアックまでまた戻ってくるブレストアタックと呼ばれる2日目の戦いに入ります。
ルディアック~ブレスト~ルディアックで328kmの行程です。ルディアックでまたシャワーであったり仮眠をとります。
PBPのような1200kmもの長距離ブルベになるとドロップバックと呼ばれる着替えや補給食等をバッグに入れて予め指定したチェックポイントにバッグを送っておいてもらうサービスがあります(これも大抵有料です)。
ルディアックは往復コースのちょうど中間点なのでドロップバッグポイント兼仮眠ポイントとして最適なのでしょうね。
ルディアックを出発したら一路パリを目指します。残り約445km、疲労もピークです。途中1077km地点のモンターニュ・オ・ペルシュ(Mortagne)で休憩や仮眠を取る参加者もいるようです。
そして残り141km走りきればPBP完走というわけです。
出典:http://www.randonneurs.bc.ca/
PBPを完走認定されると完走した時間を刻印されたメダルをもらえます(購入かもしれません)。
購入だとしてもぜひとも手に入れたいですよね。一生の記念ですから。
PBPに参加する自転車も様々
PBPへの参加は走者の力のみで走行できる自転車ならば何でもOKなので、様々な自転車が登場します。
タンデム自転車やリカンベントというもたれかかる自転車での参加者もいます。
日本では公道走行できないのでめったにお目にかかれないのですが海外では公道走行できるのでしょう。
PBPへの参加資格としてSRを取得が条件ですので、タンデム自転車やリカンベントで実際に600kmは最低走破していることになります。
なんとも海外の人達はとんでもない条件で参加するものです。
PBPのオンボード映像
Paris Brest Paris (PBP) 2015 – Group H Onboard from 0km to 100km
3時間30分の超大作のYouTube映像ですが、PBPの雰囲気が伝わる映像です。
スタート直後は郊外に抜けるまでバイクが先導して通行規制しているのが、普通のブルベとは違いますね。
他の参加者の自転車の装備品なんかもブルベを始めようと思っている方には参考になると思います。