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ロードバイクのサドルポジションの決め方

Last Updated 2020.12.28

サドル高の計算式から自分のサドル高を知る

ロードバイクのサドルポジションの決め方
最近のロードバイクを売っているプロショップでは、フィッティングマシンが完備されていて、個人個人のロードバイクに最適なポジションが出せるようなサービスがありますのでそういったプロショップにお願いすれば、現在乗っているロードバイクにあったポジションを出すことができます。

しかし、ある程度ロードバイクに乗るようになってくると、最初にフィッティングしてもらったポジションでは乗りづらく感じるようになることがあります。
それは、主にロードバイクに慣れてきて体の柔軟性が付いてきたり、筋力が付いてきたり、ペダリングスキルが身についてきたことに起因します。

また、自分でサドルの高さを変えてしまってベストなサドル高が分からなくなってしまう事もあるかもしれません。

まずは、基本となるサドル高の高さの算出方法を知って自分に合ったサドル高に設定してから少しづつ自分に合ったサドル高に調整していきましょう。

サドル高の計算式

サドル高の基本となる算出方法は
股下cm×0.885 = サドル高となります。
このサドル高は、サドルのトップ面からBB(ボトムブラケット)までの長さです。
サドル面のトップは一般的にBB(ボトムブラケット)からシートチューブを経由して一直線上にあるサドルのトップ面です。
仮に股下が84cmだとしたら
84cm×0.885 = 74.34cm
これが基本となるサドル高になります。

クランク長もサドル高に密接に関係している

サドル高はボトムブラケットからサドルトップ面までで算出しますが、これにクランクの長さも考慮する必要があります。
最近の完成車にはサイズごとに長さの違うクランクが付属してきますが、主に172.5mm前後のクランク長になります。
ショップによってはクランク長を含めた長さで、サドル高を算出するショップもあります。

一般的な人より股下が長い方はボトムブラケットからサドルトップ面までのサドル高の高さでは、クランクを回した時に上死点(ペダルが一番上にきた位置)で少し脚の周り方が窮屈に感じる方もいるかもしれません。
その時はサドルをmm単位で調節してサドル高を調節する必要があります。

逆に股下が短めの方は、クランクを回した時に下死点で膝が伸び切ってしまう場合もあります。そんな時はサドル高を少し下げて下死点で膝が伸び切らない程度の余裕のあるサドル高に調節する必要があります。

いずれの場合もサドル高を調節するときは1mm単位で調節していきます。
ロードバイクに乗りなれた方ですとサドル高は1mm違うだけで違いが分かるといいます。それほど、サドル高の調整はシビアになります。

サドルの前後位置の調整

サドルの前後位置にも基本となる位置があります。
基本となるサドルの位置は、ペダルを水平にした時に膝の皿の裏から糸に重りをつけたものを垂直に垂らしてペダルのシャフトに重なる位置がサドルの前後位置のベストな位置になります。
ただし、サドルに座る位置は走行中にかなり前後しますし、サドルの形状もバラバラです。サドルの前後位置については実走しながら見つけていくしかありません。

サドル高によるメリットとデメリット

サドル高は基本となる高さからmm単位で調節して自分に合ったサドル高を見つけていくことになりますが、サドル高が高い場合と低い場合でそれぞれメリットとデメリットがあります。

サドル高が高い時のメリット

股関節と膝の関節の角度が大きくなるため、ひと踏みひと踏みのパワーが大きくなります。スクワットしてみるとわかると思いますが屈んだ時よりも膝が伸びきる直前の方がより大きな力を出すことができます。関節が縮こまった状態だと力を入れにくいのはペダリングでも同じことが言えます。

サドル高が高い時のデメリット

関節に余裕がなくなるため、ペダルを回しにくくなります。
そのため高回転のペダリングには向きません。
また、前傾姿勢もとりにくくなります。膝を伸ばした時の前屈と、膝を少し曲げた時の前屈では後者の方が前屈しやすいと思います。
同じ理屈で、ペダリング時に下死点で膝の曲がりに少し余裕がある方が前傾姿勢をとりやすくなります。
また、首、腰、背中、肩が常に緊張状態になり上半身に余裕がなくなります。
ペダリング時も片足が下死点付近で膝が伸びきる状態になると、腰付近が左右にズレて股ズレを起こしやすくなることがあります。

サドル高が低い時のメリット

高回転のペダリングをスムーズに行うことができます。
また、コーナリングなどで操作性も向上します。
激しい動きをするBMXやダウンヒルバイクはサドル高が低い傾向にあります。
上半身に余裕が生まれるのでフォームも綺麗になります。
さらには、股間周りの圧迫も少なくなりお尻の痛みが軽減される場合もあります。

サドル高が低い時のデメリット

サドルを下げすぎて窮屈なポジションになると、パワーが出にくくなります。
プロのロードレーサーはより高いパワーを出すためにサドル高を高くする場合がありますが、これは快適性を犠牲にしてでもパワーを出すための選択で一般のロードバイク乗りの方におすすめできる方法ではありません。

サドル高は空力にも影響する

ロードバイクの最大の敵は空気抵抗です。
その空気抵抗の約8割は乗っている本人の人間による空気抵抗です。
サドル高の設定で空気抵抗も変わってくることを知っておきましょう。

サドルが高すぎると空力が悪化する

サドル高が高すぎると空気抵抗が大きくなることを知っておきましょう。
理由は前述したサドル高が高いと前傾姿勢がとりづらいことにあります。
サドル高が高いと前傾姿勢がとりづらいために、空気抵抗をお腹の部分で直に受けることになります。
ハンドルとサドルの落差が大きいと見た目はかっこよく見えますが、実は乗っている時の空気抵抗は大きく見た目を取ってしまったために走りの時は大きくロスしていることになります。

サドルの前後位置でお尻の痛みが軽減する

お尻の痛み方にもよりますが、主に尿道付近に圧迫を感じる方はサドルの前後位置を変えることで尿道への圧迫が軽減される場合があります。
サドル位置を少し進行方向側へずらすことでサドル上面が下を向き、座面も面積の大きい部分に座れるため尿道への圧迫感が軽減されて痛みが軽減される場合があります。
また、前傾姿勢をとりやすくなるというメリットもあります。
逆にサドルを後ろにずらすと、サドルの先端付近に座ることになるので尿道付近が圧迫されます。尿道付近に圧迫感を感じている人はサドル位置を少し前にずらしてみてください。
調整するときはmm単位で極端に位置をずらさないようにしましょう。

下記の記事も参考にしてみてください。

宮澤崇史さんがお尻が痛くならない正しい乗車姿勢を解説
元プロロードレーサーの宮澤崇史さんがお尻が痛くならないロードバイクの乗り方を解説しています。ロードバイク初心者でも論理的で分かりやすい内容になっていますのでお尻が痛くて悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

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