Last Updated 2021.12.21
ロードバイクの目的に合わせたヘッドライトの選び方
現在ロードバイク用のヘッドライトは、様々なメーカーから多種多様なヘッドライトがリリースされています。ロードバイク初心者の方はどんなヘッドライトを選んだら良いのかわからない事も多いかと思います。ヘッドライトの明るさを表す単位のルーメンやカンデラといった専門用語から配光パターンまでライトのカタログスペックを細かく見ないとどういうような照射をするライトなのかわからないというのが非常に多いです。本記事ではロードバイクに乗る目的に合わせて最適なヘッドライトが選べるように、ヘッドライトの専門用語を解説しながらヘッドライトの選び方を解説していきます。
ルーメン・カンデラとは一体何か
ヘッドライトの明るさを表す単位として、ルーメン、カンデラという専門用語があります。よく聞く単語ですが、違いが分かっていないという人も多いのではないでしょうか。自分に適したヘッドライトを選ぶ際の指標になりますので、これを機会に覚えておきましょう。ルーメンは光源から出る光の総量のことを指しています。配光パターン、広く照らすか、一点に集中させるかには関係なく、そのヘッドライトから光がどれだけ出ているかを表す数字です。これはライトの性能を測るものでもあり、例えばキャットアイのVOLT400は400ルーメン、VOLT800は800ルーメンといった具合になります。
カンデラとはある場所における光の強さのことを意味します。ルーメンは光の総量なので配光パターンは関係ありませんが、カンデラには配光パターンが大きく関係してきます。例えば同じ400ルーメンのライトでも、照射角が広ければ光は分散するのでカンデラの値は小さくなり、照射角が狭ければ光が集中するのでカンデラの値は大きくなります。つまり、ルーメン数が大きいからといって遠くまで光が届くとは限らないのです。配光パターンも考える必要があります。他にはルクスという専門用語もあるのですが、自転車のヘッドライトを考える時は先述したルーメンとカンデラについて理解しておけば問題ないと思います。
ヘッドライトのスペックから分かること
ヘッドライトのカタログやパッケージには、たいていルーメンの値の記載があります。しかし、前述したようにルーメンの数字だけではヘッドライトの性能は判断できません。例えばここに同じ400ルーメンのヘッドライトがあるとします。一つは2000カンデラ、もう一つは4000カンデラです。400ルーメン2000カンデラのライトは光を分散させているため、広い範囲を照らしますが遠くまで光が届きません。400ルーメン4000カンデラのヘッドライトは光を一点に集中させており、広範囲は見えませんが遠くまで照らすことができます。このように、ルーメンとカンデラ、配光パターンを同時に考える必要があります。キャットアイではヘッドライトのスペックとしてルーメンとカンデラを併記していますが、ルーメンしかスペックに記載していないメーカーも多く、表記は統一されていません。ルーメンの数字でヘッドライトの基本性能を判断して、選ぶ際には実際に点灯させてみて、光の広がり方を確認すると良いでしょう。キャットアイではホームページ上に各製品を点灯させた写真を掲載しています。ヘッドライトを選ぶ際の参考にすると良いでしょう。
自分に必要なルーメン数を知ること
JIS規格ではヘッドライトは400カンデラ以上のものと定められています。キャットアイの製品で例えると、定番モデルのEL140が400カンデラ(15ルーメン)です。都会の夜であればこのEL140でも十分ですが、VOLT100(100ルーメン・400カンデラ)やVOLT200(200ルーメン・3000カンデラ)だとより安全になります。街灯の無い真っ暗な場所を走るのであれば、最低でも400ルーメンは欲しいところです。速いスピードでトレーニングなどを行うのであれば、800ルーメン以上の明るいヘッドライトを選びたいところです。どれほど明るいヘッドライトが必要かに関しては、走る環境だけではなくロードバイクで走る速度も大きく関係してきます。速度が上がれば上がるほど遠くのものを早く発見する必要があるためです。もちろんどんな走り方でもどんな場所でも、高性能なヘッドライトを使うに越したことはありません。明るいヘッドライトを一つ持っていれば、普段は小さい光量のヘッドライトにして使うことができます。しかし、価格や重量も無視するわけにはいきません。自分の走り方や走る環境、予算、使い方を考慮して最適なヘッドライトを選びましょう。
ヘッドライトの配光パターンを選ぶ
前述したとおり、同じ明るさのヘッドライトでも、光を幅広く分散させるものと一点をスポットで照らすものでは、物の見え方が大きく異なります。配光パターンはどのように選び分けるべきなのでしょうか。それは、どのような環境をどのように走るのかによって決まります。まず、夜練などスピードを出す場合は光を収束させて遠くまで見えるスポットタイプがよいでしょう。夜のサイクリングロードのような真っ暗な場所、路面が荒れていて障害物が多い場所、横からの飛び出しの可能性の高い住宅街などでは、サイドを幅広く照らすワイドタイプが適しています。真っ暗な山道などは、広く遠くまで見渡せるようなできるだけ明るいモデルを選ぶ必要があります。キャットアイには足元はワイドに照らしつつ、前方には照射角を狭くして光を飛ばして、足元から遠くまで光が届くような特殊な配光設計がされているモデルもあります。当サイトのおすすめはキャットアイのVOLT400、レザインの500ルーメンのモデルなどがあります。
ヘッドライトは上下逆に付けても良いのか
ハンドルの上側をスッキリさせるために、ヘッドライトを上下逆にしてハンドルの下側に付けてもいいのでしょうか。結論から言うと、逆さまにしても良いヘッドライトとだめなヘッドライトがあります。配光パターンが上下非対称になっているものは、逆さまに付けると設計どおりの配光にならないのでおすすめできません。また、本体が下側に水抜き穴が付いているヘッドライトを逆さまにすると水が溜まって壊れてしまうこともあります。メーカーの設計意図に反する向きでは使用しないほうが良いでしょう。先述したキャットアイのVOLT400は上下逆に取り付けても配光パターンは変わらず、また水に対してもUSBの差し入れ口がゴムの蓋で塞がれていますので浸水の心配もありません。
充電式と電池式のメリットとデメリット
ロードバイク用のヘッドライトにはバッテリーを内蔵していて充電して繰り返し使う充電式と、市販の乾電池を用いる電池式があります。最近のトレンドは充電式でUSBケーブルを使ってパソコンなどから充電できるモデルが増えてきました。充電式のメリットは、何より明るくできることです。デメリットは出先で充電、交換ができないことです。電池式は明るさでは劣りますが、電池はコンビニなどでも入手できるため、走りに行った先で電池がなくなっても使用できます。明るさ重視でこまめに充電できるなら充電式、万が一の時を考えるなら電池式が良いでしょう。