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ロードバイク平均時速30kmの壁を突破する方法

平均時速30kmに何故壁があるのか

ロードバイクの平均時速30kmに壁を突破する方法
ロードバイクは速く、楽に、遠くへ走るために特化した自転車です。そのためロードバイクである程度速い平均時速で走りたいのは正直な心情というもの。しかし、そこに立ちはだかるのは平均時速30kmの壁です。平均スピードが上がれば、今よりも速く、そして遠くへ走りにいくことができます。科学的根拠にも裏付けされた平均時速30kmの壁を打ち破るためのトレーニング方法を紹介します。

平均時速20kmで走り続けるのは楽だが

ロードバイクで平均時速20kmで走り続けることは比較的簡単です。平均時速25kmで走り続けることもある程度トレーニングをしていれば比較的到達できるレベルです。しかし、これが平均時速30kmとなると、不思議な事に多くのサイクリストは途端に走り続けることができなくなってしまいます。
一人で平均時速30kmで走り続けられるようになれば、サイクリストとして一人前と言ってもいいでしょう。何も1時間走り続けられる必要はありません。信号等の無いフラットな場所、例えば川沿いのサイクリングロードなどで、まずは10分間走り続けられるようになることを目標にしてみましょう。この10分間持続できるスピードは、おおよそライダーが持つ能力の指標になります。
例えば時速30kmで巡航できる力があれば、ロングライドやグランフォンドのイベントで制限時間を気にする必要がなくなります。また、エンデューロレース等でも参加者の平均以上のスピードで楽しむだけの走力が付いているはずです。

まずは平均時速30kmを10分間維持することを目標にする

時速30kmで10分間走り続けることができるようになれば、あとは徐々にその時間を延ばしていけばいいだけです。そもそも、何故時速30kmに壁があるのでしょうか。時速30kmで10分間走り続けられるようになるためのスキルとフィジカルトレーニングの両面から解説したいと思います。

時速30kmに壁がある理由

時速(km/h) 出力(w) 体重当たりの
必要なVO2max/wt
(体重60kg)
40代男性の
VO2max/wt
平均値
1時間
スピード持続の
達成率
25km/h 85w 31.2 35.3 79%
30km/h 135w 42.1 35.3 9%
35km/h 200w 56.3 35.3 1%未満

上記の表を見ていただくとお分かりでしょうか。ライダーが出せる出力と酸素摂取量は相関します。酸素摂取量は年齢によって変化しますが、例ととしてあまりトレーニングしていないサイクリストを想定して、40代の男性で体重60kgとした場合の時速と出力、平均酸素摂取量と1時間持続できる人の到達率を表にしました。この時、体重1kgあたりの最大酸素摂取量の平均とばらつきは35ml/min/kgになります。次にスピードごとの出力を導くと、時速25kmで85w、時速30kmで135w、時速35kmで200w。それぞれの出力を出すために必要な体重1kgあたりの酸素摂取量は31.2、42.1、56.3ml/min/kgになります。
このことから推定すると、80%の人が平均時速25kmでは走り続けることができますが、時速30kmになるとわずか9%の人しか達成できません。時速30kmに大きな壁があることがお分かりいただけるでしょうか。
ただ、これは普段トレーニングをしていないサイクリストの話です。逆に言えば、トレーニングを継続して、効率的なポジションに改善するだけで、平均時速30kmを超えることは可能なのです。実際に、過去に長期的にトレーニングを実施した結果、時速30kmを達成したという実績もあり時速30kmで走り続けることは難しいことではないことは証明されています。

空気抵抗を減らすエアロフォーム

時速30kmが壁になるのは、身体的な能力だけが理由ではありません。むしろ、空気抵抗が大きな要因になっています。時速20kmで走行時に発生する空気抵抗は総走行抵抗のうちすでに60%を占めているのですが、時速30kmになるとその空気抵抗は80%にもなります。低速域でも空気抵抗が大きな割合を占めていることには変わりありませんが、特に時速25km~30kmにかけて、空気抵抗の割合が急激に増える傾向にあります。これこそが時速30kmの壁がある理由です。
つまり、平均スピードを上げるためには、この空気抵抗をいかに減らすかどうかがカギを握っていると言えます。

ロードバイクのエアロフォーム
空気抵抗を減らすためには、普段肘を伸ばしぎみにハンドルのブラケット部分を握って走行していると思いますが、このブラケットの握り方を上図のように肘を曲げて前傾姿勢を低くします、こうすることで今まで体に受けていた空気抵抗が100%だったのを空気抵抗80%に低減することができます。
このように肘を曲げた前傾姿勢の低いフォームにすると、今まで時速27km、出力200wで走行していたとすると、時速30km、出力200wで理論上走行できるようになります。

ブラケットポジションのエアロフォームを身につける

スピードアップのためには、フィジカルを強化する以前に、長時間パワーを出し続けられるエアロフォームを確立することが第一ステップです。スピードが時速15kmから時速30kmに2倍になると、転がり抵抗などを含めた総走行抵抗は5倍になります。そのうち空気抵抗は8倍になります。このように空気抵抗がもっとも影響を及ぼすため、できる限りフォームをコンパクトにするメリットは大きいと言えます。
時速30km超えを目指すロードバイク初心者におすすめするフォームは、ブラケットポジションのままで、肘を90度近くまで曲げて、手首と肘の高さを揃える意識を持ちましょう。あえてハンドルのドロップ部分を握る必要はありません。無理にドロップハンドルを握るのであれば、リラックスして安定したフォームが取りやすいブラケットポジションのエアロフォームがおすすめです。
エアロフォームをとることで、ノーマルブラケットポジションと比較して空気抵抗を2割ほど減らすことができます。

ノーマルブラケットポジション

自転車が空気抵抗と戦うスポーツと呼ばれる所以は、速度が2倍になると空気抵抗は8倍にもなるためです。そしてライダー自体がもっとも投影面積が大きいためノーマルブラケットポジションではもろに空気抵抗を受けることになります。

ブラケットエアロフォームポジション

ハンドルの握り位置はブラケットポジションのままで、肘を曲げて前傾姿勢をとることで、ノーマルブラケットポジションと比較して大きく全投影面積を減らすことができます。
手首から肘にかけて水平にすることで、前方からの全面投影面積をもっとも小さくします。下ハンドルを握ったポジションでは、中々水平にはできず、腕の全面投影面積は逆に増えてしまいます。下ハンドルの方が力を入れやすいというメリットはありますが、基本的にはブラケットポジションで肘を90度曲げるほうがストレスなくポジションを取りやすいというメリットがあります。

ドロップハンドルポジション

ハンドルのドロップ部分を握って前傾姿勢をとったエアロフォームです。全面投影面積はブラケットのエアロフォームよりも肘が外側に少しでてしまう分だけ増えてしまいます。

ペダリングの意識を変えて出力を高める

フォーム同様にペダリングは、意識を変えることで大きくパフォーマンスを高めることができる可能性があります。効率的なペダリングの条件として、まず持続的にパワーを出し続けられる必要があります。
ペダリング中は大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋が主に使われていますが、これらをバランス良く使うことが大切です。ペダリング中の筋肉の役割と働き方については過去に記事にしていますのでそちらの記事を読んで参考にしてください。

ロードバイクライフ
ロードバイクの最新情報とブルベの世界の情報を発信するロードバイクメディア

ペダリング中にバランスよく筋肉を使うためにカギを握るのが股関節の伸展です。股関節の伸展を意識できていると、ペダリング中の踏み込みのタイミングで、ハムストリングスと大臀筋をしっかりと使えるようになります。股関節の伸展を意識するためのポイントはどこにあるのでしょうか。
クランクの上死点から早いタイミングで下へ踏み降ろす意識を持つことです。ほとんどのサイクリストがこのタイミングが遅れています。また、円運動のペダリングでは、接線方向、クランクに対して直角方向に向けて力を加えることでパワーを効率的に伝えることができます。前方へ蹴り出すペダリングのイメージから、下へ踏み降ろす意識に変えるようにしましょう。良く時間軸で例えられますが、2時から踏み始めて5時頃に最大トルクを迎えるようなペダリングではなく、1時から踏み始めて3時には最大トルクになるようなペダリングにすることで効率的なペダリングが可能になります。

フィジカルトレーニング方法

フィジカルを向上させるためには、過負荷の原理というトレーニングの原則に沿って、トレーニングに取り組む必要があります。
いつも同じ強度でトレーニングを繰り返していても、それ以上の強度で走れるようにはなりません。パフォーマンスのレベルを上げるためには、短時間でも今よりも高い強度の負荷を与えることが大切です。短時間の高強度をこなせるようになってから、徐々にその時間を延ばしていくようにするのが大切です。
トレーニングでは、負荷を正確に管理できるパワーメーターや心拍計があればベストですが、平均スピードを目安に取り組むこともできます。
安全を確保できる平地で10分程走り続けられるマイコースを作ります。毎回タイムを測定して、その時の平均スピードを指標にメニューを組み立てます。例えば現在の10分タイムトライアルが時速25kmであれば、時間を5分に縮めて平均時速27kmを目標にして走ります。これができるようになったら、次は時速27kmで10分を目標に設定します。それがクリアできたら、時速30kmで5分というように確実にステップアップしていくことが大切です。

フィジカルトレーニングと同時にペダリングトレーニングも

フィジカルトレーニングを行う時に、同時に行って欲しいのが正しいペダリングをするためのペダリング神経トレーニングです。ロードバイクというとどうしてもパワートレーニングに目がいきがちですが、正しいペダリングの習得も大切なトレーニングです。正しいペダリングができるかどうかで、パワートレーニングの効果にも大きな違いがでてきます。
ペダリングの神経トレーニングについては過去の記事で特集していますので、そちらの記事を読んでみてください。

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また、トレーニング時には信号のないサイクリングロードがあればベストですが、そいうったマイコースが無い場合は室内でもトレーニングできるトレーニング機材があると安全にトレーニングすることができます。これを機会にそういったトレーニング機材の導入を検討してみるのも良いと思います。

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