Last Updated 2021.11.26
ワールドサイクルのR250ツールケーススリムロングタイプ試用レビュー
ロードバイク本体やサイクルウェア、自転車パーツ等の通販でおなじみのワールドサイクル様よりR250ツールケーススリムロングタイプの製品サンプルをご提供していただけたので試用レビューをすることになりました。携帯工具やパンク修理キット、交換用チューブを持ち歩くために多くのロードバイク乗りの方はツールボトルかツールケースを使用していると思います。最近は中身へのアクセスがしやすいということで各社からツールケースがリリースされていますが、ワールドサイクルからもオリジナルのツールケースをリリースしています。R250ツールケーススリムロングタイプは旧モデルから色々と改良されてより使いやすく、容量も一般的なツールケースより収納容量も多く使い勝手を良く改良されています。そのR250ツールケーススリムロングタイプを試用レビューします。携帯工具やパンク修理キット等をツールケースで持ち歩こうと考えている方はぜひ参考にしてください。
今回当サイトに製品サンプルをご提供していただいたワールドサイクル様には御礼申し上げます。
R250ツールケーススリムロングタイプの概要
R250ツールケーススリムロングタイプ
サイズ(実寸):長さ235mm×幅80mm~75mm
中身サイズ(実寸):長さ215mm×幅65mm~60mm
容量:800ml
カラー:カーボン柄レッド / カーボン柄ブラック
価格:2,200円(税込)
今回製品サンプルとしてワールドサイクル様からご提供いただいたのはカーボン柄レッドでした。ワールドサイクルではツールケースの有用性に早くから目を付けていて、今回紹介するR250ツールケーススリムロングタイプは初代のR250ツールケースから数えて3代目になるようです。ワールドサイクルのスタッフの皆さんもサイクリストということで、ツールケースの弱点を色々と分析してより使いやすいツールケースにするべく改良を重ねて今回紹介するツールケースにたどり着きました。そんなサイクリストが考えたサイクリストの為のツールケースの特徴を紹介していきます。
ヴィットリアのツールケースから全てが始まった
ワールドサイクルのオリジナルのツールケース開発のルーツはヴィットリアが数年前にリリースしたツールケースが発端だそうです。数年前に携帯工具や予備のチューブをボトルケージに収納するアイテムとしてはツールボトル(缶)と呼ばれる、ドリンクを入れるボトルと同じ形状で中に携帯工具や予備チューブ、パンク修理キット等をぎっしり入れてボトルケージに挿してサイクリングするのが主流でした。
そんな中、ヴィットリアがリリースしたのがツールケースと呼ばれるもので、ジッパーを全開にするとツールケースが左右に真っ二つに開いてツールケースに収納している携帯工具等に簡単にアクセスできるという画期的なものでした。携帯工具やタイヤレバー、予備チューブをぎっしり詰め込んでもツールケースならジッパーを全開にして真っ二つに開けば必要なアイテムだけすぐに取り出せるということで大ヒットしました。私も私物でヴィットリアのツールケースを所持していますが、容量はともかく真っ二つに開いて必要なアイテムだけをすぐに取り出せるのは確かに便利です。
そこでワールドサイクルでは、ツールケースの良いところとツールボトルの良いところを両立するためにロングタイプのツールケースを開発しました。それが初代のR250ツールケースロングタイプです。
ツールケースをロングタイプにすることのメリット
ワールドサイクルからリリースしたロングタイプのツールケースは好評で発売開始からわずか数日で完売してしまったそうです。当時ロングタイプで大容量のツールケースが無かったので、サイクリストのニーズにマッチしたのでしょう。何故ツールケースをロングタイプにしたのかというと、携帯工具や予備チューブの他に携帯ミニポンプも収納できるようにと考えたからだそうです。ツールケースに収納するアイテムの相場は携帯工具、タイヤレバー、CO2ボンベ、パンク修理キット、予備チューブだったところに携帯ミニポンプも収納できるようにしたことで大ヒットしました。
今回のR250ツールケーススリムロングタイプの改良点
旧R250ツールケースロングタイプで不満だった所が3つありました。
- 少し太くて、ボトルケージから出し入れしにくい
- シートチューブのボトルケージに挿した時、ツールケースの先端が少し脚に当たる
- ジッパーがプラプラしてフレームに当たる
これらの不満点を解決するために細かい改良を施しました。
1つ目と2つ目の不満点を解決するために、上端と下端を細くしました。上端と下端を細くしただけではわずかながら容量が減ってしまいますので、長さを5mm長くして中身の容量はキープしました。また、下端を細くすることでボトルケージにすっと入れやすくなり、さっと取り出せるようにもなりました。上端を細くすることでペダルを回す脚に当たりにくくなりました。特にフレームサイズが小さい方にはこれは効果的です。ほんの数mmなのですが上端を細くすることでペダリング中の脚に当たりにくくなったのはかなりユーザーの不満を解消してくれるでしょう。
3つ目の不満点、ジッパーがプラプラしてフレームに当たるという不満点はジッパーを閉めた所にジッパーをツマミ部分を収納するゴムバンドを付ける事で解決しました。ツールケースのジッパーを閉めたらツマミ部分をゴムバンドの所に通すことでジッパーがプラプラすることが無くなります。小さな工夫ですが、ユーザー目線で考えるとよく考えられた工夫だと思います。
あえて止水ジップをやめる
初代のR250ツールケースロングタイプは止水ジップだったそうですが、2代目のツールケースからは止水ジップを不採用にしています。理由は安価な止水ジッパーを使用するとジッパーの動きが硬くなるだけで豪雨のような場面を走行する事を想定した場合全く効果がなかったからだそうです。R250ツールケーススリムロングタイプはある程度の雨天での使用は問題ありませんが、雨天走行後はツールケースを必ず乾かして乾燥させてくださいと注意喚起しています。
R250ツールケーススリムロングタイプの収納力
上図写真は私が実際にロードバイクに乗る時に持ち歩いているパンク修理関連のアイテムです。
- 予備チューブ(ラップに包んで保護)
- 携帯工具
- タイヤレバー
- CO2ボンベ
- タイラップ
R250ツールケーススリムロングタイプに収納すると、右側の予備チューブを収納した上側にまだスペースがあります。予備チューブを上手くラップで包んでコンパクトにすればもう一本予備チューブを入れる事ができます。予備チューブを2本ツールケースに収納しておく事ができれば、ロングライドの時にかなりの安心材料になるでしょう。
耐水性テスト
止水ジップではないR250ツールケーススリムロングタイプですが、本体を触った感触としてある程度耐水性がありそうでしたので、R250防水スマートライドポーチ同様に耐水性テストをしてみました。シャワーで30秒程満遍なく水をかけてみました。結果はツールケースの中の素材まで水が浸透してきてしまいました。雨天時の走行中は常にツールケースは雨に晒されますので、雨天走行後はツールケースは必ず乾燥させるようにしましょう。そのままにしておくと携帯工具等の鉄素材の工具がサビたり、カビが発生する可能性があります。ブルベや長距離ツーリングで雨天走行が常にあり得る状況で走行する方は注意が必要です。
ダブルボトル体制との両立
ワールドサイクルではシートチューブのボトルケージに挿す事を想定して、ロングタイプで大容量のツールケースを開発したわけですが、私の場合ドリンクは一つは水、一つはBCAAが配合されたスポーツドリンクのダブルボトル体制を維持したい為にダウンチューブ下の第三のボトルケージにツールケースを挿して3ボトルケージ体制にしたい所です。
ヴィットリアのツールケースは長さが短くてダウンチューブ下に挿していてもフロントタイヤとのクリアランスはかなり余裕があったのですが、R250ツールケーススリムロングタイプの場合、第三のボトルケージをボトムブラケット側へ少し移動してギリギリクリアランスを確保できました。それが上図の写真です。元々R250ツールケーススリムロングタイプはシートチューブのボトルケージに挿して使用することを想定して設計されたものですので、こんな位置にツールケースを挿す方が稀な訳ですが、マンガろんぐらいだぁすの高宮紗希スタイルを貫きたいろんぐらいだぁす好きとしてはここは譲れないところでした。
一般のサイクリストの方は、2つのボトルケージにダウンチューブ側にはボトル、シートチューブ側にはツールケースを挿すのが普通だと思いますのでR250ツールボトルケーススリムロングは、メリットがたくさんある製品です。夏場の暑い時期やブルベ等の長距離を走行する時や、ダブルボトル体制を維持したいという方は一定のニーズがあると思います。ツールケースのラインナップにヴィットリアのツールケース並の長さのサイズを用意していただけると、より多くのニーズにあったラインナップになるのかなと思います。
R250ツールケーススリムロングタイプを試用してみて
普段使用しているヴィットリアのツールケースには、携帯工具、タイヤレバー、CO2ボンベ、予備チューブ、タイラップを収納しています。R250ツールケーススリムロングタイプは、このヴィットリアのツールケースと比較して約30%容量アップしているということで、予備チューブをもう一本入れられる余裕がありました。予備チューブを2セット収納できるのは、長距離ツーリングする人にとっては安心材料になるのではないでしょうか。耐水性は残念ながらあまり期待できませんが、ツールボトルで防水性を取るか、ツールケースで工具類の取り出しやすさを取るかのトレードオフになるかと思います。ここはツールケースを使用する場面とツールボトルを使用する場面を使い分ける必要がありそうです。
雨天走行が想定されるような場面ではツールボトルを使用して、晴天時や普段のサイクリングでは使い勝手が良いツールケースを使用するといった具合になるでしょうか。防水・耐水仕様のツールケースが出てくれば全てが解決なのですが、防水仕様のツールケースを開発してくれたら嬉しいですね。
R250ツールケーススリムロングタイプについては、多くのサイクリストのニーズにマッチした商品になっています。特に予備チューブが2本入れられる上に、携帯工具やタイヤレバー等のパンク修理キットを全て収納できるのは、初めてロードバイクに乗るという初心者の方や今使っているツールケースやツールボトルの容量に不満がある方にとっては不満を解消してくれるものとなっています。ツールケースでロングタイプのものはありそうであまりないものですので、パンク修理アイテムをツールケースやサドルバッグに分散していて、それをツールケースに集約したいと考えている方にはおすすめのツールケースです。気になった方はぜひチェックしてみてください。