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ロードバイク乗車時の呼吸とは何かを考える

ロードバイクにおける呼吸とは何かを考える

ロードバイク乗車時の呼吸とは何かを考える
ロードバイクは有酸素運動で良くプロのアスリートもトレーニングにロードバイクを取り入れていたりしますが、私達が普段意識することなくやっている呼吸ですがロードバイクに乗っている時の呼吸も意識しないでもいいのでしょうか。

ロードバイクに乗っている時も呼吸を意識することで走りが変わるかもしれません。
もしかしたら疲れにくくなったり、より強度の高い速度域でも呼吸を意識することで速く高い負荷でも維持できるようになるかもしれません。ロードバイクにおける呼吸法について何度かに分けて特集したいと思います。

ロードバイクにおける呼吸を正しく把握する

ロードバイクに乗る時の呼吸を正しく把握するために、まず有酸素運動と無酸素運動の高さでロードバイクに乗って運動するということはどんな位置になるのか把握しましょう。

有酸素運動の高さ(動的運動)
無酸素運動の高さ
(静的運動)
ゴルフ
ボーリング
ビリヤード等
野球
フェンシング
バレーボール
卓球等
マラソン
バドミントン
サッカー
テニス等
ダイビング
アーチェリー
弓道等
ラグビー
剣道
サーフィン等
スイミング
バスケットボール
中距離走等
ウェイトリフティング
柔道
体操等
ボディビル
スキー
レスリング等
サイクリング
スピードスケート
ボート等

出典:36th Bethesda Conference:recommendations for determining eligibility for competition in atheletes with cardiovascular abnormalities

上の表は各スポーツの有酸素運動の高さと無酸素運動の高さを低・中・高の割合で表にしたものです。ロードバイクはボート競技等と同じように、無酸素運動の高さも有酸素運動の高さも高い部類に入ります。ロードバイクとマラソンは比較的要素として近いと思われがちですが、マラソンは体がどこにも固定されることが無くロードバイクとは違って体をどこかに固定するための力が必要が無いために無酸素運動の要素が低くなっています。

ロードバイクにおける呼吸は筋肉と同じくらい大切

スポーツにおける運動は有酸素運動(動的運動)と無酸素運動(静的運動)に大きく分けられます。
無酸素運動(静的運動)は体操やウェイトリフティングのように動きが少ないけど筋力が必要な運動です。有酸素運動(動的運動)は大きな動きをする運動です。マラソンやサッカー等体全体を使う運動が主なスポーツになります。
その中でもサイクリング(ロードバイク)は、有酸素運動の要素も高く無酸素運動も高い運動に分類されます。ロードバイクはサドルとハンドルで体を固定されて、フォームを維持しつつもペダリングは大きく運動しなければなりません。そのため、有酸素運動(動的運動)の要素も高ければ無酸素運動(静的運動)の要素も高い運動ということになります。

これはどういうことかというと、ロードバイクに乗っている時のフォームの維持は無酸素運動(静的運動)で、ペダリングする時の脚の運動は有酸素運動(動的運動)ということです。
ロードバイクは筋肉のパワーだけではなく、呼吸にも高度な能力が必要なスポーツだと言えます。
呼吸にも高度な能力が必要なスポーツということは、もし呼吸法を改善すればより良い有酸素運動になってパフォーマンスをアップさせることができるということです。

マラソンとロードバイクの呼吸で比較する

ロードバイクに乗っている時とマラソンをしている時の肺(呼吸器)について比較してみましょう。
ロードバイクの場合体はサドルに座って、ハンドル持って車体に体を固定するようにフォームを維持するために肺(呼吸器)は左右に揺れたり移動することはありません。
対してマラソンでは、体全体で走っているために肺(呼吸器)は上下左右に揺れて常に移動していることになります。マラソンで呼吸法について取り上げられる事が多いのは、肺(呼吸器)が常に移動するために効率の良い呼吸を意識しないといけないからです。
ロードバイクでは肺(呼吸器)は移動しにくいですから呼吸するのに有利であると言えます。

呼吸は外呼吸と内呼吸に分けられます

呼吸について詳しく分けると外呼吸と内呼吸に分けられます。
外呼吸とは口や鼻から空気を吸い込んで肺まで運び、肺に酸素を届けてから二酸化炭素を受け取って口や鼻から吐き出す行為です。
内呼吸とは肺に取り込んだ酸素を各臓器や細胞へ血液によって運び、細胞レベルで酸素を消費することです。外呼吸で十分な空気(酸素)を取り込むことができなければ、内呼吸で酸素が足りなくなり細胞や筋肉が酸欠になってしまいます。

ロードバイクに良い呼吸とは何か

肺(呼吸器)は一般的に余力のある臓器と言われていて、病気や何かしらの要因で肺の半分を取ってしまったとしても生きていくには問題ないくらいです。健康な人ならばパワーマックスで走っても呼吸の限界には中々到達しません。その前に心臓が限界を迎えてしまいます。心拍数がその人の最大心拍数まですぐに到達してしまい運動できなくなってしまいます。
ただし、呼吸器系の病気であったり姿勢によって呼吸が制限される状態だと呼吸の障害が出てきます。呼吸の良し悪しを測る目安が体に出入りする空気の量である換気量です。
換気量が少ないと十分な酸素が取り込めなくなります。ロードバイクは高い有酸素運動ですのでこの換気量が多い呼吸が必要になります。

換気量を多くするには

換気量を多くにする、つまり空気をたくさん吸うことが良い呼吸の第一条件です。
では、たくさん空気を吸い込むにはどうしたらいいのでしょうか。

肺そのものは動かない事を理解する

肺は心臓のように筋肉で出来ているわけではないので、自分では動けない臓器であるということを理解しないといけません。肺は自分で大きくなったり小さくなったりしているのではなく、横隔膜等の周りの筋肉が肺を膨らませたり縮めたりしているということです。
そして、換気で一番大きく影響するのは肺の下側です。呼吸において一番大きく働く筋肉は横隔膜で、肺の下側が最も伸縮します。つまり、換気量を多くするには横隔膜がきちんと動く状態にすることが必要であると言えます。横隔膜が自由に上下できないと換気量が多くなりません。

換気量を多くする具体的な方法とは

換気量を多くするために横隔膜をきちんと動かすための具体的な方法とは何でしょうか?
それは姿勢が大きく影響してきます。横隔膜は緩んでいると上に上がって、収縮して張ると下に下がります。空気を吐く時には横隔膜を緩めて上に上げて肺を縮め、空気を吸う時は横隔膜を収縮させてピンと張って下に下げて肺を膨らませています。
呼吸にとって有利な姿勢は具体的には背筋を伸ばすことです。背筋を伸ばすと胸郭が前後に狭くなるので、横隔膜が張った時と緩んだ時の差が大きくなります。猫背だと胸郭が前後に広くなるので、横隔膜が引っ張られてしまい、張った時と緩んだ時の差が小さくなってしまいます。また、猫背だと腹圧がかかってしまうので、目一杯息を吸うことも難しくなります。
ロードバイクは前傾姿勢のため、横隔膜は動きにくく呼吸にとっては良い姿勢とは言えない状態であると言えます。

ロードバイクで良い呼吸をするには

呼吸という観点では姿勢が大切であることがわかりました。しかしロードバイクにおいてはそう単純な話にはなりません。
ロードバイクは体が車体に固定されて呼吸器がブレないため、運動としては呼吸に適していると言えますが、一方でロードバイクのフォームは呼吸に不利であるとも言えます。しかし話が難しくなるのは、ロードバイクの場合空気抵抗やペダリング効率が絡んでくるということです。
換気量が多くなるからといって背筋を伸ばして乗ると、空気抵抗が増えて遅くなってしまいます。
呼吸にとっては良い姿勢かもしれませんが、ロードバイクにとっては良い姿勢とはいえないということです。

ロードバイクでは3つのバランスが大切

ロードバイクに乗って運動する時に大切なのは、呼吸のしやすい姿勢、空気抵抗の低い姿勢、パワーの出しやすい姿勢、この3つのバランスが大切であるといえます。
プロの選手はこの3つのバランスが取れるポイントを見つけていて走っているということです。
さらに難しいのは、このバランスのとれるポイントが速度域、運動強度、風向き、勾配によって変わってしまうということです。運動強度が高くなると呼吸の優先度は高くなります。高速や向かい風では空気抵抗を減らすために姿勢を低くする必要があります。登りでは運動強度は上がりますが速度は落ちます。
呼吸のしやすさを第一に考えるのか。とにかくパワーを出せるフォームで走るのか。空気抵抗を減らす事に全てを捧げるのか。答えは刻一刻と変わります。この呼吸のしやすい姿勢、空気抵抗の低い姿勢、パワーの出しやすい姿勢の3つをいかにバランス良くさせるか。この点を意識することでブレイクスルーに繋がります。

極端な猫背は良くない

一つだけ言えるのはロードバイクに乗る時のフォームで骨盤を立てることを意識しすぎて、極端な猫背になることは良くないということです。それは極端な猫背になると胸郭が広がらなくなり、横隔膜が動かなくなってしまう上に腹圧がかかって空気を吸いにくくなってしまうからです。
骨盤を立てる事は意識せずに適度に骨盤を寝かせて少し猫背になる程度に抑えるフォームが、呼吸もしやすく空気抵抗もある程度減らせる良いフォームであると言えます。

口呼吸か鼻呼吸か

換気量の多い呼吸は口呼吸:鼻呼吸=7:3で口呼吸の方が換気量が多いです。3割くらいの運動強度までは鼻呼吸でいけるといわれていますが、それ以上の運動強度になると鼻だけでは追いつかず口呼吸しないといけません。
しかし、鼻呼吸にもメリットがあり鼻呼吸の方が湿度の調整ができたりホコリ等が入りにくくなるために、肺に入る空気の状態が良いということです。よく鼻呼吸が良いといわれますが、それにはこのような理由があります。ただし、運動強度が高くなると鼻呼吸では追いつかなくなるため無理せずに口呼吸したほうが良いです。

ロードバイクと呼吸の関係

本記事ではロードバイクに乗る時の呼吸について記事にしました。
結論としては呼吸のしやすい姿勢、空気抵抗の低い姿勢、パワーの出せる姿勢を常に意識して、状況に応じてどこを重視するか常に姿勢を変えて、この3つのバランスを取れる姿勢でロードバイクに乗ることで自然と呼吸を意識したフォームが出来上がるということが言えると思います。
次回は実際にロードバイクに乗車している時にはどのような呼吸をすればいいのか?ということについて書いていきたいと思います。

ロードバイク乗車時の具体的な呼吸法とは何か
ロードバイクに乗っていると呼吸が苦しくなる。それは何故か。呼吸のメカニズムを理解してロードバイクに乗っている時の具体的な呼吸法について解説していきます。呼吸法を身につけることでペダリングや体幹も鍛えることができます。

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