Last Updated 2020.12.26
季節問わずに活躍する簡易保冷ボトルを紹介
真夏の峠でぬるい水を飲む事ほど辛いものはありません。そんな時に活躍するのが簡易保冷機能の付いたボトルです。保冷ボトルは色々な種類があり一般的になってきました。しかし、持っていけるのはせいぜい2ボトルで、どの保冷ボトルがいいのか?と思っている人も多いと思います。冷たさをキープしてくれる性能、飲みやすさ、夏には飲み口付近にカビが発生する可能性もあるので、洗いやすさも考えなくてはいけません。保冷力だけ考えれば魔法瓶的な水筒が一番なのですが、ロードバイクに装着するならソフトなスクイズボトルにしたいところです。数ある簡易保冷ボトルの中から旬のアイテムをピックアップして紹介します。
CAMELBAK PODIUM ICE 210Z
ハイドレーションシステムで有名なキャメルバックは、サイクリストやアウトドアファンからも人気が高い保冷ボトルを展開しています。キャメルバックには2重構造&保冷素材を採用したポディウムチルというボトルがありますが、ポディウムアイスはチルジャケットサーマルインシュレーションという宇宙船の断熱材にも使われる技術を採用して、一般的な保冷機能がないボトルと比較して約4倍の保冷効果があるといわれています。しかも、冷たいものから温かいものまで保温できます。ただし、熱湯は不可です。蓋はボトルを手で押しても飲み口を口で吸っても飲めるジェットバルブを採用しています。ロックを回せば、輪行や車載時にボトルを傾けてもこぼれないようになっています。気になるのは分解がしづらいことで、夏場は丁寧に洗浄をしておかないとカビてしまう可能性があります。コストは高いですが、宇宙スペックと思えば納得できるでしょうか。保冷力を重視するなら選ぶ価値はあるでしょう。
CAMELBAK PODIUM ICE 210Zの特徴
外気温30度の環境での保冷力は、温度上昇は比較的ゆるやかで、2時間後に約10度上昇しています。冷たいとは言いがたいですが、4時間経過しても外気温より低い温度をキープする事ができています。一般的な保冷ボトルよりも保冷力が高いと言えると思います。ボトル形状はストレートな形状で、全体的に柔らかく握りやすい印象です。ブルーロックを回しておけば、手で潰しても中身が出ない構造になっています。ボトル内に凹凸は無く洗いやすいですが、中が黒いので汚れがやや見えにくいので洗浄は丁寧にやる必要があります。蓋は3ピース構造で分解可能ですが、ブルーのロック部分は外すのに力が必要になります。入り組んだ構造になっているので、洗浄はやややりづらい印象です。
POLAR BOTTLE ZIPSTREAM BREAKAWAY
愛らしい白くまがトレードマークのポラーのボトルです。金属ホイルと空気層の2層構造により保冷するタイプで、飲み口の内側にシリコン弁を設けたジップストリームキャップ搭載の新モデルです。温度変化は、ペットボトル水である程度の冷たさを感じられるのは2時間未満といったところでしょうか。ボトル中央部のくぼみはキャッチ時に指をかけやすい反面、それよりも下側を押さないとやや硬い印象があります。一方、キャップの分解と清浄はもっともしやすく、夏場にありがちなカビ問題をクリアできるのが嬉しいポイントです。さらに大きい24ozサイズも展開していて、価格もリーズナブルです。初めて買う保冷ボトルや乗車時間がそれほど長くない時にはおすすめできる保冷ボトルです。カラーバリエーションが増えたらなおよかったかもしれません。
POLAR BOTTLE ZIPSTREAM BREAKAWAYの特徴
外気温30度の環境での保冷力は、約1時間で約10度上昇しています。その後ゆるやかに上昇していきながら、4時間経過した頃に外気温とほぼ同じくらいの温度になりました。2時間を超えるライディングなら氷を入れて保冷したほうがいいのかもしれません。中央のくぼみ部分がやや硬いので、ボトル下部を押すと飲みやすくなります。飲み口を押し込めば逆さにしてもこぼれない構造になっています。口は大きく氷も入れやすいですが、中のくぼみ部分はやや洗いづらいので注意が必要です。
ELITE NANOGELITE THERMAL BOTTLE
アクセサリーブランドとして人気があるエリートの最新保冷ボトルです。ボトルのラインナップもかなり多いですが、固形物として世界最軽量の断熱素材ナノゲルを採用しているのがこのボトルです。ナノレベルの細孔をもつナノゲルが分子レベルでガスを補足して、極めて低い熱伝導率を実現しているといわれています。ソフトな握り心地も特徴です。蓋は飲み口を手または口で引くタイプで、押せば閉じられますが、逆さにすると中身が漏れてしまうこともあり、やや注意が必要です。その代わり、シンプルな構造で分解しやすいので洗浄は楽です。食洗機にも対応しています。温度変化を見てみると、保冷効果は高く、また旧モデルに比べて押した時の水の流量がアップしたため、より飲みやすくもなっています。同じエリートのボトルケージと合わせて使いたいボトルです。
ELITE NANOGELITE THERMAL BOTTLEの特徴
保冷効果は比較的高く、外気温30度の環境での保冷力は、2時間後に約10度上昇しています。キャメルバックと同じようなペースで温度をキープしています。容量500mlなのでペットボトル500ml分の飲料に氷を入れたい場合は650mlサイズがおすすめです。組成の5%が固形で、95%が空気というナノゲルは、軽量かつソフトで握りやすいのが特徴です。ボトル内は黒いので汚れはやや見えづらいですが、ほぼストレート形状なので洗いやすいです。ボトルの口はやや狭めです。シリコン製の飲み口はすぐに分解できて、シンプルな構造なので洗浄も楽です。他のボトルと比べて蓋自体が大きいですが、その分キャッチがしやすいのも特徴です。
AVEX PECOS AUTOSPOUT INSULATED BOTTLE
ダブルウォール構造によって保冷するタイプで、飲み口をワンタッチで開閉できるオートスパウト機能付きの蓋が特徴のエイベックスのボトルです。走行中の泥や埃、汗などによる汚れから飲み口を守ってくれるというクリーンなボトルです。保冷効果は一般的なレベルです。蓋はほとんど分解できない構造になっていますが、食洗機での洗浄に対応しています。ボトル自体はやや硬めの印象で、蓋のグリップによってケージからの取り出しがしやすくなっています。中身がこぼれる心配がまったくないのは結構なストレス減となり、安心して飲む事ができます。ロードバイクを選ばないシンプルなグラフィックも魅力で、そのままデスクワークのお供にも使えそうなデザインです。飲み口のきれいさを気にするライダーや女性におすすめのボトルです。
AVEX PECOS AUTOSPOUT INSULATED BOTTLEの特徴
外気温30度での保冷力は、約1時間経過で約10度上昇して、4時間後にはほぼ外気温と同じくらいの温度になっていました。ポラーボトルとほぼ同じペースとなる結果になっています。ライディング時間によっては、氷を入れて冷たさをキープできるように工夫するのが望ましいでしょう。ストレートな形状で持ちやすく、全体的にやや硬めの印象ですが、押せばしっかりと飲む事ができます。グレーのプレート部分を倒す事で、飲み口に触れずに片手ですぐにキャップを閉じる事ができます。口は大きく氷も入れやすい構造になっています。
簡易保冷ボトルの持続時間は大体2時間
飲んだ時に冷たいと感じるかどうかは外気温や体温によっても変わってきますが、総じて2時間以上経過するとぬるいと感じてしまうようです。その中でも比較的保冷力が高いと言えるのは、キャメルバックとエリートのボトルです。握った感触はエリートの方が握りやすい印象ですが、やはり漏れないという安心感は譲れないという方はキャメルバックがおすすめです。今回はソフトタイプの簡易保冷のボトルのおすすめを紹介しましたが、さらに保冷力を求めるならステンレス製の本格的な保冷ボトルもあります。価格も大体3000円台と買いやすくなってきています。長時間のサイクリングが多い人や重量は気にしない、それよりもいつでも冷たい水を補給したいという方はステンテス製の保冷ボトルも検討してみてください。