Last Updated 2020.12.28
ロードバイクの良いポジションとは
ロードバイクに乗り始めるとロードバイクのポジションについて色々と悩む事が多くなると思います。
- 今のポジションは自分に合っているのか?
- 正しいポジションとはどういうポジションなのか?
- 良いポジションの定義とは何か?
- ロードバイクのポジションに正解はあるのか?
といった感じで、ロードバイクのポジション論に巻き込まれる事になります。
結論から言うとロードバイクのポジションに正解は無く、万人にロードバイクのポジションはこれだ的なものはありません。
しかし、ロードバイクのポジションを決める上で一つの方向性はあります。
それはサドル・ハンドルにバランス良く体重が乗り、ペダルにも体重が乗せられるポジションであるということです。
ペダルにも体重を乗せるポジションとは
ペダルに体重を乗せるポジションは、ロードバイクのサドルの座り方にも繋がっています。元プロロードレーサーの宮澤崇史さんのロードバイクの乗り方が非常に参考になります。
体重を活用したペダリングができる乗車姿勢
ロードバイクに限らず自転車に乗る上で最も効率的な乗り方は脚の筋肉だけでペダルを踏むような乗り方ではなく、体重をペダルに乗せて自然と進ませるような乗り方です。
脚の筋肉も必要ですが、それに加えて体重も上手く使ってペダリングすることでより効率的に前に進ませることができます。
ペダルに体重が乗るポジションとは何か
ペダルに体重が乗るポジションとは、サドルとハンドルへの荷重バランスが整っているポジションと定義できます。
サドルに座る位置が後ろすぎてサドルにどかっと座っていたり、前乗りでハンドル荷重が大きいとペダルに体重を乗せることができません。
体重を活用するために必要なのは、サドルとハンドルへの荷重のバランスです。
前輪にも後輪にも荷重がかかるポジション=ペダルに体重がうまく乗るポジションと言えます。
サドルとハンドルにバランス良く体重を乗せることができれば、自然とペダルにも体重が乗って効率よくロードバイクを前に進ませることができるようになります。
サドルとハンドルに均等に体重がかかってバランスが取れている状態が目標となるポジションになります。
ロングライド向けにハンドルを高くするのは間違いか?
ロードバイクメーカー各社のロングライド向けモデルや初心者向けモデルでは、ヘッドチューブが長くハンドル位置が高めに設定されていて、比較的アップライドなポジションになるロードバイクが多いですが、体重がペダルに乗るポジションを目標とするとハンドル位置を高めにしてサドルにどかっと座ってサドルに荷重が乗りすぎる乗り方では良いポジションとは言えません。
ロングライド向けモデルでハンドル位置が高めに設定されていたとしても、自身の身長にあった適切なサイズのロードバイクであればハンドル位置は高めにはなりますが、サドルとハンドルの落差が少なくある程度の前傾姿勢ができて、サドルとハンドルにバランス良く荷重できてペダルに体重が乗せられるポジションはできます。
悪い例はロングライド用途だからと極端にハンドル位置を高くして、サドルにどかっと座るようなポジションにしてしまうことです。
これではサドルへの荷重が大きくなってしまい、ペダルに体重を乗せられないばかりかお尻の痛みへも繋がってしまいます。
目標は一つだけど結果はバラバラになる
ロードバイクのポジションは目指す目標は一つですが、結果としてでてくる一人ひとりのポジションはバラバラになります。
万人に当てはまる正解はありません。
日々ローラーに乗って色々とポジションを試行錯誤するか実走でポジションを考えながら乗ってバランスの良い荷重ポジションを見つけるしかありません。
正しいポジションを見つけるためのステップ
正しいポジションを見つけるためのステップは
- サドル
- ハンドル
- クランク(ペダル)
の順で位置を決めていく事で、サドルとハンドルにバランス良く体重が乗り、体重をペダルに乗せてロードバイクを進ませることができるポジションに辿り着けます。
一番大事なのはサドル位置
ロードバイクとライダーが接する3点サドル・ハンドル・ペダルの中で、最も荷重が大きくなるサドルの位置が一番重要になります。
ポジションを考える時はサドル位置から決めていきましょう。
サドルポジションの決め方は以下の記事を参考にしてください。
サドルは一番体重がかかるところなので、サドルの位置の調整から始めて、ハンドル、クランク(ペダル)の位置調整の順で調整していきます。
ポジションを変えた時に注意するポイント
ポジションを変えた時に注意するポイントがあります。
それは力強くペダルが踏めるという事ではなく、スムーズに脚が回るかどうかという点です。
ロードバイク初心者はペダルが力強く踏み込めるポジション=良いポジションと思いがちですが、これは間違いで最小限の力でバランス良く進ませることが重要です。
平地でも登りでも力まずにスムーズにペダルが回っているかどうかで判断します。
一度にたくさん変えないこと
ポジションを変更する時は一度にたくさんの場所を変えない事が大切です。
一つの場所についてトライ&エラーを繰り返さないと正しい検証ができません。
ポジションに迷っているとサドルもハンドルもクリート位置もと同時に変えてしまいがちですが、それではどこが影響して変化したのかが分からなくなります。
サドルならサドルだけと他の条件は一定にしてサドルの高さを変えたらこうなったというように一つひとつ検証していく必要があります。
ある程度の距離を乗って判断する
ポジション変更の良し悪し(脚が良く回るようになるかどうか)を判断するには、ある程度の距離を乗ることが大切です。一つづつじっくりと向き合わないと良いポジションへはたどり着けません。ローラー台があるなら一定の同じ条件で走行できるのでよりポジション変更によってどう変わったかが分かりやすくなると思います。
ポジションは常に悩み続ける課題
ロードバイクのポジションは常に考え続ける必要がある課題といえます。
ロードバイクに慣れてくると柔軟性がついてきたり筋肉が付いてきたり、走り方も変化します。そして加齢による体力の変化もあります。
一度自分自身納得のいくポジションに辿りついたとしても、数ヶ月乗り続けていたり、逆にあまり乗る時間が無くなるといった要因でもその時のベストのポジションは変化します。
一度ポジションが決まったからと言って数年もポジションを見直さないというのはおすすめできません。せめて1年に1度はポジションを見直す必要があります。
体のコンディションと一緒で、極端な話ロードバイクのポジションも日々変わっていきます。今の自分には合っていても1年後も合っているかどうかはわかりません。
ロードバイクでどれくらい距離を走ってきたか、どのくらいロードバイクに慣れてきたか、体の柔軟性や筋肉量の変化でもベストなポジションは変わってきますので常に考える必要がある課題です。