Last Updated 2017.04.01
ロードバイクのコンポーネント
ロードバイクや自転車等で良くコンポーネントと呼ばれることがありますが、このコンポーネントとはロードバイクを構成する部品のひとまとまりの呼び方です。コンポとも呼ばれます。コンポーネントという呼び方はシマノが始まりでヨーロッパのカンパニョーロはグループセットという呼び方をしています。コンポーネントはロードバイクの主に駆動に関係する部品をまとめていて以下の部品のことを指します。
- クランクセット(チェーンリング)
- ブレーキレバー(シフトレバー)
- 前後ブレーキ
- フロントディレーラー(フロント変速機)
- リアディレーラー(リア変速機)
- リアスプロケット(リア変速ギア)
- ボトムブラケット
- ハブ
上記の部品をまとめてコンポーネントと呼んでいます。
このコンポーネントという部品のセット販売を始めたのがシマノで、それから各メーカーも対抗するように自社の製品をシリーズ化して販売するようになりました。
コンポーネントセットにはグレードがあり、各社のコンポーネントにはグレードにより耐久性や軽量性で差をつけて販売しています。
一般的にグレードが高いものほど、高耐久・軽量化されていてそれにより価格差が設定されています。
シマノ(Shimano)
シマノは釣具でも有名な日本のメーカーです。1980年代マウンテンバイクの進歩により頭角を表すようになりSTIレバーの開発により一気にシェアは拡大。現在では世界中で使用されるメーカーになりました。
マウンテンバイクのコンポーネントではほぼ独占状態にあり、ロードバイクにおいても1990年代頃からはロードバイク市場にも進出。
当時独占状態だったカンパニョーロと競合するようになりSTIレバーのロードバイクへの転用により一気にシェアを拡大し日本国内では現在カンパニョーロを追い越しトップの座にいます。
さらに高品質で低価格等の理由で各自転車メーカーの完成車の多くはシマノのコンポーネントを採用していることが多いです。
シマノのコンポーネントのグレード
- デュラエース(DURAACE)
- アルテグラ(ULTEGRA)
- 105
- ティアグラ(TIAGRA)
- ソラ(SORA)
- クラリス(Claris)
主に上記のグレードがあります。
一般的に105から上位のグレードはレース用途でも使用できるモデルでティアグラ以下はタウンユース用途として区別されています。
その他にも105以上のグレードはリア11速でグレードでの互換性があり、105のコンポーネントを使用していると後からアルテグラやデュラエースへのグレードアップもできるなど、ロードバイクをカスタムする楽しみもあります。
ティアグラ以下のグレードはリアスプロケットが10速・9速・8速等で変わっておりグレードの互換性がないため、グレードアップするときは基本コンポーネント一式を変える必要があります。
ヨーロッパの有名なロードバイクメーカーのエントリーモデルではコストを抑えるためにティアグラやソラを採用しているモデルも多く、後からコンポーネントをグレードアップする可能性がある場合は注意が必要です。
また、105のコンポーネントを採用していてもブレーキやフロントのクランクが他社製だったりシマノ下位グレードを採用してコストを抑えているロードバイクもあります。購入を検討する際にはコンポーネントが統一されているか、それとも一部他社製を採用しているかカタログやショップで確認することをおすすめします。
私見ですがロードバイクを購入する際には105以上のグレードのコンポーネントを採用しているモデルをお勧めします。理由は先程書いたように後からグレードアップ等を考えることがあったとしても上位グレードと互換性があるため、一気にグレードアップする必要がなく少しづつパーツを揃えてグレードアップしていけます。
グレードアップを考えていなくてもロードバイクが楽しくなってたくさん乗るようになると、リアが11速ならレースもヒルクライムも長距離もそれこそ私が目標にしているブルベ完走も不自由なく使えますので長い目で見て損はないと思います。
カンパニョーロ(Campagnolo)
カンパニョーロはイタリアの自転車部品メーカーです。日本ではカンパと略されることが多いです。
ヨーロッパは自転車の本場なので昔のツールドフランス等プロのロードレーサーが参加するレースではカンパニョーロのコンポーネントが独占状態だった時期もありました。
ロードバイクにおいては絶対に欠かせないメーカーで日本でもカンパ信者と呼ばれるくらい有名で、カンパニョーロのコンポーネントの最上級グレードであるスーパーレコードは憧れの存在でもあります。
カンパニョーロのコンポーネントはシマノに比べて高価であり、ロードバイクの各メーカーでも完成車で採用しているのはミドルグレード以上であることが多いです。
シマノが質実剛健とするならカンパニョーロは美しさで対抗するといった感じがあり、プロロードレースの世界でも実績があるため日本でもカンパニョーロ愛好者は多いです。
カンパニョーロのコンポーネントのグレード
- スーパーレコード(Super Record)
- レコード(Record)
- コーラス(Chorus)
- ポテンツァ(Potenza)
- ケンタウル(Centaur)
- ベローチェ(Veloce)
主に上記のグレードがあります。
カンパニョーロの場合ベローチェとケンタウルが10速でポテンツァ以上は11速のラインナップになっています。
しかし価格面でいうとベローチェグレードでシマノの105並の価格で、ポテンツァで11速仕様にしようとするとシマノのアルテグラ一式買っても数万円おつりがきちゃう。それくらいの価格差があります。
金銭面で余裕がある方やロードバイクをカスタムして綺麗に乗りたい方等はカンパニョーロをお勧めしますが、ブルベ等長距離乗ってロードバイクを酷使する方はシマノのコンポーネントの方が何か出先でトラブルがあった際も近くにショップがあれば対応してくれる可能性が高いのでシマノをお勧めします。
スラム(SRAM)
スラムはアメリカの自転車メーカーでロードバイクの世界では一番新しいメーカーです。主にマウンテンバイク用の部品を展開していましたが2007年からロードバイク向けのコンポーネントも展開するようになりました。
スラムのシフトチェンジ機構は特殊でシマノSTIレバーの手前のレバーを2段階クリックすることでギアのアップダウンができる機構になっています。スラムの特徴としてはシマノやカンパニョーロに対抗するため軽量性を謳っています。
雑誌等に登場する某ヒルクライマーはロードバイク重量を極限まで軽くするためにスラムのREDという最上級グレードのコンポーネントを使用していたりします。
スラムはシマノやカンパニョーロに比べ後発のため世界的にみてもシェアは少なく日本でも使用率はかなり低いと思います。
スラムのコンポーネントのグレード
- レッド(RED)
- フォース(FORCE)
- ライバル(RIVAL)
- アペックス(APEX)
主に上記のグレードがあります。
スラムのコンポーネントは各メーカーでも完成車で採用しているモデルは少なく、まだシマノやカンパニョーロに比べると普及しているとは言い難いです。
しかし、最近スラムは最上位のREDで電動シフトを有線では無く無線でシフトチェンジできる機構を発表して注目を浴びています。
日本でのスラムユーザーはまだ少ないので自身のロードバイクに個性を持たせたいならスラムはありかもしれません。
以上がロードバイクのコンポーネントの3大メーカーの特徴でした。
ロードバイクを購入する際に少しでも参考になれば幸いです。