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ロードバイクのホイール

Last Updated 2021.01.21

ロードバイクのホイール

ロードバイクのホイールアイキャッチ
ホイールはロードバイクを手に入れたらまず最初にカスタムしたいと思うパーツの一つです。
現在ではロードバイクは完成車として、買って整備してもらったらすぐに乗り出せる形で販売されているのが主ですが、その完成車に付属されているホイールのほとんどはコスト削減のため重量がそこそこあり一般的に鉄下駄ホイールなんて呼ばれています。
何故みんなロードバイクをカスタムするときにホイールを替えたがるのかというと見栄です。
というのは冗談というか半分本気なんですが、軽量化であったり空気抵抗の軽減だったりというのが理由です。
ロードバイク初心者が大体予算5万円くらいでホイールを替えると、完成車についていた鉄下駄ホイールより300g~500gくらい軽量化することができます。
たかが300gなんですが、この足元の重量の300g軽量化というのは思ったより効果があり、ギア1枚から2枚はペダルを回す時に軽く感じることができるほど効果の高いカスタムになります。
レース志向のユーザー等はカーボンでリムをディープの構造のホイールを何十万円も出して変える人がいるほどホイールのカスタムの世界は奥が深いです。
ブルベや長距離のロングライド志向のユーザーでもミドルグレードのホイールで足元を300g前後軽量化させるだけでも疲労軽減の面で大きな変化を感じることができるでしょう。

ホイールの構成

ホイールについて少し掘り下げていきましょう。
ホイールとは主に3つの部品で構成されたもののことをいいます。

  • リム
  • スポーク(ニップル)
  • ハブ
リム

リムはホイールの外周部分のリング状になっている部品でタイヤをはめたりブレーキのシューが当たる部分です。
リムは使用するタイヤによって形状が異なり主に3つの形状があります。

  • クリンチャー用途
  • チューブラー用途
  • チューブレス用途(クリンチャー兼チューブレス対応もある)
クリンチャー

クリンチャーとはタイヤとチューブが分かれていて一般的なロードバイクに使用されているタイヤです。
タイヤの中にチューブを入れてチューブに空気を入れることによって外のタイヤを膨らませています。
ロードバイクでも入門用からミドルグレードはほぼクリンチャータイヤを採用しているのでリムもクリンチャー用のリムです。
クリンチャーのメリットはパンクした時、チューブを補修するかチューブを交換するだけで修理できるのでタイヤ本体を変える必要がなくランニングコストが安く済みます。
デメリットはタイヤとチューブが別体なので若干重量が重くなってしまう傾向があることです。
しかし、ロードバイクを始めたばかりの人やレース志向でない限りはクリンチャータイプはおすすめです。

チューブラー

チューブラーはタイヤとチューブの役割が一体になっていてタイヤを直接膨らませます。
チューブラーのメリットはタイヤ自体の軽量化とリムもクリンチャーに比べタイヤを嵌める部分が必要ないので軽量化できることです。
プロのロードレースの世界ではチューブラーが主流です。また、チューブラーはコーナリング時のタイヤのへこみ方が一定でクリンチャーに比べてグリップに優れているといわれています。
そのためホビーユーザーでもレース志向が強い方はチューブラータイヤを好む傾向にあります。
デメリットはパンクしたらタイヤ毎交換する必要があることです。小さな穴のパンクなら補修することもできるようですがカットパンク等切れ目が大きいパンクになるとタイヤ毎交換が必須となります。
そのためチューブラータイヤでロードバイクを楽しむにはある程度のランニングコストがかかります。

チューブレス

チューブレスは名前の通りタイヤの中にチューブ無く、構造はクリンチャーというタイヤの形式です。
クリンチャーのようにリムにタイヤをはめ込んでそのまま空気を入れてタイヤを膨らませます。
チューブレスとは違い説明しづらいですがオートバイのタイヤのロードバイク版といった位置づけです。
チューブレスタイヤはクリンチャーのようにリムにはめるのでリム側は空気が漏れないように密閉できる構造になっています。
そのため空気を入れるバルブはリム側に固定されてスポークもリムの内側には出ない構造になっています。
2006年ごろから出てきた形式なのでチューブレス対応のホイールというのは高価でロードバイク初心者には少し敷居が高いです。
メリットとしてはタイヤの中にチューブが無いのでリム打ちパンクという症状が出ないこととタイヤ自体耐パンク性能が高く、異物が刺さったとしてもしばらくは空気が抜けずに走ることができるということです。

スポーク

スポークはリムと中心にあるハブを支えるためにつなぐ部品のことです。
ハブを中心にリムに向けて均等に伸びている細長い棒のことを指します。
スポークの役割はハブとリムを引っ張り合い強度を出してハブを中心にリムを支えることです。
スポークの引っ張り具合(テンション)というのが重要でどこか一つでもスポークのテンションが狂うとホイールを回転させた時リムが左右に波打つような回転になったりします。
ホイールの左右の振れといいますがこの左右の振れを取る時にスポークのテンションを変えてホイールの振れを修正していきます。
素人ではホイールの振れ取りには知識が必要となりますので振れが出ている時にはプロショップに行って修正してもらうほうがいいでしょう。
スポークの張り方も種類があり奥が深い世界なのですが、一般的にフロントホイールはラジアル組みリアはタンジェント組と呼ばれるスポークの張り方が一般的です。

ハブ

ハブはホイールの中でも重要なパーツです。
完組ホイールで価格差がでているのは主にこのハブの精度と軽量化の部分が大きいです。
ロードバイクのハブは進行方向へは動力を伝えて回転し、逆回転側へ動力を伝えると空転して動力を伝えないフリー形式というのが一般的です。
ハブで動力を伝えて空転させた時にどれだけスムースに空転し続けられるかというのがハブ選びの重要な要素の一つになります。
現在ではホイールというとリム・スポーク・ハブを自社のパーツで揃えて完成形で販売する完組ホイールというのが一般的なので、ハブ単体で選ぶには手組みでプロショップにホイール組みをお願いするか自分で知識を付けて組むしかないわけですが、手組みホイールで好きなパーツを合わせて自分だけのオリジナルのホイールが欲しいって人はハブ選びは重要なファクターになるので選ぶ楽しみの一つではあります。

リムにはもう一つリムの高さリムハイトという要素があります。
ホイールを選ぶ上での選択肢の一つなのですが、このリムハイトが高いか低いかでロードバイクの性質がガラッと変わる要素でもあります。
一般的なホイールのリムハイトは24mm前後でこのくらいのリムの高さだとリムの重量が軽くできるのでヒルクライムやロングライド、レースでも使いやすくオールラウンドなリムの高さになります。
逆にリムハイトが35mmから高いもので50mmとなるとリムの重量が少し重くなりますが高速での巡航が楽になりやすいというメリットがあります。あとは見た目ですね。かっこいいです。
その代わりリムハイトが高いと漕ぎ出しが重く感じることと横風を受けた時にもろに風の抵抗を受けることになるのである程度のロードバイクへの慣れと脚力が必要になります。
ロードバイク初心者でホイールを替える時、今後レース志向で行くのかブルベ等ロングライド志向で行くのかでリムの高さは意識しておいたほうがいいと思います。

シマノ(Shimano)

シマノのDuraAceのホイール
シマノのホイールは一言で言うと地味だけど質実剛健。
予算5万円位のグレードだとアルテグラグレードのホイールを買えば、完成車の鉄下駄ホイールより300gは軽くなるので初心者でも走りの違いを体感できます。
また、シマノのハブは評判が良くとても良く回るといわれています。
スポークの組み方もフロントはラジアル組み、リアはタンジェント組とオーソドックスな組み方なので見た目は地味ですが強度は問題ないと思います。

前後合わせて1640g、フロントスポーク16本、リアスポーク20本。バランスのいい構成だと思います。
完成車付属のホイールは大体1800gから1900gなので、200gから300gの軽量化ができます。
アマゾンで見ると結構安くなってますね。

カンパニョーロ(Campagnolo)

カンパニョーロZondaのホイール
カンパニョーロのホイールの特徴はリアホイールのスポークの組み方です。
MEGA G3と呼ばれるハブからリムにかけて3本一組を7方向へラジアルとクロスを混ぜて組んだスポークの組み方が特徴です。
このリアホイールの見た目でやられてしまう方も多いと思います。私もその一人です。
ハブについてはグレードによって差が付けられていますが、予算5万円くらいのグレードZondaはプロのロードレーサーもトレーニング用として愛用するほど評判がよく、カンパニョーロのホイールを語る上で重要な指標になるグレードになります。
初めてホイールを買う時カンパニョーロにしたいならまずはZondaを選べば間違いはないとお勧めできます。

前後合わせて1596g、フロントスポーク16本、リアスポーク21本。リムハイトはフロント26mmでリア30mmです。
カンパニョーロのホイールを購入する際に一点注意があります。
ハブにリアのスプロケット(ギア)をはめる時、シマノ用とカンパニョーロ用とで区分されています。
ロードバイクのコンポーネントをシマノで統一するなら、シマノ用のハブのフリーボディ形式を選びましょう。
ハブ自体はカンパニョーロ用もシマノ用も変わりません。ただリアスプロケットをはめる時、でこぼこの形状がシマノとカンパニョーロで違うだけです。
なので、シマノのリアスプロケットを付けるならシマノ用、カンパニョーロのリアスプロケットを付けるならカンパニョーロ用を選ぶ必要があるということです。

フルクラム(FULCRUM)

フルクラムのracing3のホイール
フルクラムはカンパニョーロの子会社です。
フルクラムのホイールもリアのスポークの組み方に特徴があります。
2:1という組み方で一見すると一般的なタンジェント組とカンパニョーロのMEGA G3組を合わせた組み方をしています。
ハブについてはネット等を見ても概ね好評のようで特に可もなく不可もなしといった感じです。
乗り味についてですが、よくカンパニョーロのZondaと比較されるのですが、Zondaの方が衝撃吸収性があるのか柔らかくフルクラムは硬く長時間乗っていると脚に疲労が蓄積されるといいます。
逆にいうとフルクラムのホイールは剛性が高いのでペダルを回した時力をロスすること無く進むとも言えると思います。

カンパニョーロのZondaと同じミドルグレードのRacing 3です。
前後合わせて1555g、フロントスポーク16本、リアスポーク21本。リムハイトはフロント26mmでリア30mmです。
ほとんどカンパニョーロとスペックが似ていますね。
フルクラムもリアスプロケットを取り付ける際、カンパニョーロ用とシマノ用と分かれていますので注意が必要です。

マヴィック(Mavic)

マヴィックは昔からあるリムメーカーで生粋のホイールメーカーです。
今でこそシマノ・カンパニョーロ・フルクラムとネットでロードバイクのホイールを調べるとこの3メーカーが上位に出てきますが、マヴィックも外せないメーカーになります。
マヴィックのホイールは、上記のメーカーに比べると価格が一段高くなります。
前後重量1550gくらいのグレードになるとアマゾンでも9万円代とちょっとお高いです。
その代わりマヴィックのホイールを買うとタイヤとチューブがついてくるというちょっとしたおまけがあります。
特徴としてはリムに直接ネジを切ってニップルをはめ込むことで剛性と強度を向上させるテクノロジーを採用していることです。

前後重量1550g、フロントスポーク18本、リアスポーク20本。リムハイトは前後24mmです。
重量とアルミリムの比較のためこのグレードを選びました。
フロントのスポーク数が多めですね。
マヴィックのホイールの評判をネットで調べるとハブの回転が悪いと良く見ます。
そしてマヴィック公式見解だとハブの回転の悪さは走りに影響しないという考えであるともあります。
個人的な考えでいうとハブの回転が悪いと一定速度の巡航に影響で出そうなので、ハブはやっぱり回転が良い方がいいのではないかなと思います。
そこらへんは素人の考えなので参考にはならないと思いますが。

2017年ホイールのトレンドはワイドリム化

これからロードバイクを始める、もしくはロードバイクの購入を検討しているという人は注意して欲しいのがホイールのリムのワイドリム化です。
ロードバイクのタイヤのトレンドは2016年までは700×23cサイズのタイヤが主流だったのですが、
2017年シーズンからメーカーがこぞって700×25cタイヤに最適化するようにホイールのリム幅をワイドにしてきています。
元々プロのロードレースシーンでは700×25cタイヤが使われていてそれを一般向けユーザーにも浸透させようという流れのようです。
理論的にも700×23cより700×25cのほうが接地面積が減り、転がり抵抗が低くなるので重量は足元重量は少し重くなるけど走りは軽くなると云われています。
ですので、今後ロードバイクを購入してホイールをグレードアップさせようと考えている方は、ホイールがワイドリムかどうかも注意して見てください。
2017年モデルの各メーカーの完成車を見ても、ほとんど700×25cタイヤとワイドリムのホイールが採用されています。
これからは、700×25cタイヤとワイドリムホイールの時代といえるでしょう。

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