Last Updated 2021.01.20
ロードバイクとは何か?
ロードバイクとは自転車の中でもオンロード(舗装された道路等)を高速でまたは長距離を走ることに特化した自転車のことです。
レースであったり長距離自転車旅行等を目的として作られているので自転車自体の重量も軽量化されていて普通の自転車で走るより軽く感じることが特徴です。
ヒルクライムやロングライド、レースに参加してみたりサイクリングやポタリングであったり自転車通勤でもロードバイクは幅広く使えます。
ロードバイクの歴史
競技用としてロードバイクの原型ができたのは1900年代頃と云われています。
当時のロードバイクはブレーキが無く、道も土を踏み固めた道路で走っていたとされています。
1910年代に入ると今のロードバイクの特徴とも言えるドロップハンドルが開発されました。
そこから第二次世界大戦によってロードバイクの進化は中断しますが1947年に有名なツールドフランスが再開されると再び技術革新は進んでフロントギアの変速の導入やホイールも木製から金属製へ移行されるようになりました。
1970年代に入るとShimano(シマノ)がデュラエースを発売します。これに対抗してカンパニョーロもスーパーレコードを発売。ロードバイク業界が一気に進化していきます。
ロードバイクの進化
ロードバイクは昔といっても私が初めてロードバイクに乗った時1980年代はロードバイクのフレームのダウンチューブと呼ばれるフレームの一部にダブルレバーといって、左がフロント側のギア変速、右がリア側のギア変速でした。
そして1991年シマノはダブルレバーに変わってブレーキレバー部分でギアチェンジ(シフトチェンジ)ができるSTI(シマノ・トータル・インテグレーション)と呼ばれる、ハンドルから手を離さないでもシフトチェンジができるデュアルコントロールレバーを開発しました。
これはとても画期的でした。私も今はこのシマノのSTIデュアルコントールレバーを搭載したロードバイクに乗っていますが、1980年当時ダブルレバーのロードを思い出すと今のロードバイクのシフト操作は簡単でしかもハンドルから手を離さないので安全面においてもとても良いと思います。
シフトレバー操作の方法は左手側がフロントギア変速、右手側がリアギア変速します。
左手側のブレーキレバー毎内側にクリックするとフロントギアはアウターといって重いギアへ、ブレーキの内側だけのレバーを内側へクリックするとフロントは軽いギアへ変速します。
右手側のブレーキレバー毎内側にクリックするとリアギアはインナーと言って軽いギアへ、ブレーキの内側だけのレバーを内側へクリックするとリアは重いギアへ変速します。
左手のシフト操作と右手側のシフト操作ではギア変速が逆ですが、乗ってるうちにすぐ慣れるレベルで試乗等で変速しているうちになれるくらい操作は簡単です。
このシマノのSTIデュアルコントロールレバーシステムを追う形で、イタリアのカンパニョーロ社がエルゴシステムを開発します。
カンパニョーロ社はイタリアの自転車部品メーカーでシマノがロードバイク業界に登場する前は、
ツールドフランスで使われる部品はほぼ全部カンパニョーロ社製というくらいシェアがありましたが、シマノの台頭により現在ではシマノが全世界の6割、カンパニョーロが全世界の2割から3割くらいとなっています。
このブレーキレバーによるシフトチェンジ機構により、ダブルレバーは徐々に廃れていきロードレースの世界では使われなくなりました。
2000年代に入ると次はシフトチェンジの電動化開発が活発化します。
2001年にシマノは電動でシフトチェンジができるDi2(Digital Integrated Intelligence)システムを発表します。
ロードバイクには2009年にシマノのデュラエースというフラッグシップモデルに初めてDi2搭載モデルが発表されます。
カンパニョーロも対抗して2010年に電動コンポーネントを発表、ロードバイクレースの世界は一気に電動シフト化していきます。
電動シフトはフラッグシップモデルのオプションのため、とても高価なものでホビーユーザーには高嶺の花ですが、シフト操作のフィーリングはワイヤー式に比べ軽くカチカチといった感じでとても軽いそうです。
私も一度は電動シフトのロードバイクに乗ってみたいと思いますが、今は電動シフトは進化途上なので一般に普及するレベルまで価格が安くなったら試してみたいものです。
ロードバイクフレームも進化
ロードバイクのフレームも進化しています。
上図は大まかなフレームのデザインです。
トップチューブ部分が地面と平行になるように設計されたフレームをホリゾンタルフレームといいます。
昔のロードバイクのフレーム設計は大体このホリゾンタルフレームでした。
今でもこのホリゾンタルフレームを好む愛好者は多く、クロモリ素材のロードバイクは今だにホリゾンタルフレームで作るメーカーは多いです。
上図のロードバイクを見ると先程のロードバイクフレームと違い、トップチューブがサドル(シート)に向かって斜めに下がっていますね。
こういったフレーム形状をスローピングフレームといいます。元はマウンテンバイクのフレームから始まったといわれていて、ロードバイクにスローピングフレームを採用したのが写真のメーカーGIANT(ジャイアント)です。
ジャイアントは台湾の自転車部品メーカーで、昔は他の自転車メーカーのフレームの製造の下請けOEMとしていましたがそのノウハウを活かしてGIANTというブランドを立ち上げて現在では世界有数の自転車総合メーカーになっています。
実は私のロードバイクもこのジャイアントのロードバイクです。
話を戻しましょう。
このスローピングフレーム、ジャイアントが発表した時はとても馬鹿にされていました。ロードバイクはホリゾンタルフレームというのが一般的だったからです。
また、スローピングフレームは元々はマウンテンバイクから派生したものでマウンテンバイクはアメリカが本場でした。
そういった事情もあり、ロードバイク発祥のヨーロッパとしてはスローピングフレームは受け入れがたいものがあったのかもしれません。
日本でもジャイアントストアが東京の二子玉川に出店してジャイアントのロードバイクが登場するわけですが、当時はジャイアント?安いロードバイクを売っている、ジャイアントに乗っているとなんとなくダサいなんてイメージでした。
今でもジャイアントは他のヨーロッパのロードバイクメーカーに比べて安価でロードバイクを提供していますが、今ではジャイアントに対するイメージは一変、コスパが良くて質のいいロードバイクを販売しているメーカーになっています。
スローピングフレームにはホリゾンタルフレームに比べて優れているメリットがあります。
それはフレームの構造上小柄になることで、フレームの剛性向上・軽量化・低重心化とロードバイクにはピッタリな構造だったのです。
またユーザー側にもメリットがあり、身長が低いユーザーでも足つきがよくなり乗れるようになること、メーカー側にはホリゾンタルフレームではユーザーの身長によって細かなサイズ展開をしないといけませんでしたが、スローピングフレームではユーザーの身長の許容範囲が広がりサイズ展開が少なくて済むといったメリットがあり、ロードバイクの世界では一気にスローピングフレームが普及していきました。
ロードバイクの素材も進化しています。
現在ロードバイクの素材は主に3つあります。
- クロモリ(クロームモリブデン鋼)
- アルミニウム
- カーボン
素材によってそれぞれメリット・デメリットがあります。
クロモリはロードバイク初期から使われている素材で所謂鉄フレームです。
メリットは柔軟性で乗っていて適度にしなることで路面からの衝撃を吸収してユーザーへの負担を軽減したり、カーボンのようにいきなりクラックが入って壊れるというようなことが無いということです。
長距離サイクリングではこの柔軟性により疲れにくいということで一定層のクロモリロードユーザーがいます。
デメリットは重量です。鉄のためフレームを細くしてもアルミやカーボンよりはどうしても重量が重くなってしまいます。そのため現在のロードバイクのレースシーンではクロモリはほぼ使われることはありません。
アルミニウムはクロモリに比べ強度を保ちつつ軽量にできるということで普及していきました。
錆にも強く安価でフレームを作れるということで、現在でも入門用のロードバイクのフレームにはアルミニウムが使われているモデルが数多くあります。
メリットはクロモリのロードに比べて軽量に作れることですが、ある程度強度を保つためにフレームはクロモリに比べて太い傾向になります。
デメリットはフレームの寿命でアルミニウムは金属疲労の進行があるため(クロモリでも金属疲労しますが小さい負荷であれば金属疲労はしないといわれています)、クロモリに比べるとフレームの寿命は短いといわれています。
突然フレームが断線するというような致命的な欠陥は起こらないようにメーカーもフレームを設計していると思いますが、乗ればのるほどアルミフレームは金属疲労していきますので乗り味が変わり、ペダルを回していても力が逃げていくという感覚はあるかもしれません。
カーボンフレームはロードバイクで一番新しい素材になります。
1980年代中盤に初めてカーボンによるロードバイクが登場したそうですが、まだ当時はカーボン技術は開発途上にあり一般ユーザーでも持っている人は少なかったと思われます。
現在ではカーボンの成形技術も成熟し様々なフレームのデザインのロードバイクで溢れています。
ロードバイクレースシーンでもほぼ100%カーボンフレームのロードバイクでレースが行われています。
メリットはフレームの設計の自由度が高いことと軽量かつ剛性も高いものが作れること。また振動吸収性も高く金属疲労といった素材の劣化も無いためロードバイクに最適な素材として今後も各メーカー沢山のカーボンロードバイクを発表していくと思います。
デメリットは素材が高価であること。そのため、初めてロードバイクを購入するとなってもカーボンロードバイクはちょっと高いからと躊躇してしまうと思います。
しかし、ジャイアントやメリダ等カーボンロードバイクでも予算20万円くらいあれば購入できるロードバイクはありますので、初心者でロードバイクに20万円??って思うかもしれませんが長く続けると考えている人は少し頑張ってカーボンのロードバイクを購入したほうがいいと思います。
カーボンのもう一つのデメリット、金属にはない強い衝撃によるカーボンの破断ですが、車とぶつかるような落車でもしない限りそうそうフレームが壊れることはありません。
素材の性質上強い衝撃には弱いですが、大規模な落車なんかしない限りは心配の必要はありません。
ただし、各パーツをネジ等で締め付ける際に金属類と違って締め付けるトルクに注意しないとネジの締め付け部分からカーボンにクラックが入る可能性はあります。
メンテナンスを自分で行うときにはその点だけ注意しないといけません。