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ブルベにおすすめのアルミクリンチャーホイール

Last Updated 2020.12.25

ブルベでホイール交換は有効なのか

ブルベにおすすめのアルミクリンチャーホイール
ブルベは雨天であっても道路が凍結していても、雪が道路に積もっていても開催されるかなり過酷なサイクリングイベントです。さらに、長距離を走破するために装備もある程度充実させてどのようなトラブルにも対応できる機材を持ち歩き、サイクルウェアも着替え等も持ち歩く場合があります。そのため、ブルベに参加する時はある程度車体重量プラスアルファの装備重量を装備して走ることになります。そんな状況で軽いホイールを使用するメリットはあるのでしょうか。

足元重量の軽量化は一定の効果があります

これは私がローラーの一定条件下と外の実走で、完成車付属のホイールとカンパニョーロのゾンダのホイールで比較した実体験による結論ですが、ホイールの軽量化は走りが軽快になるという結論になりました。装備はブルベ200kmを走破する事を想定して、オルトリーブのサドルバッグLサイズに輪行袋、反射ベスト、カギ、ウィンドブレーカーを入れ、ダウンチューブ下の第三のボトルケージにはツールケースに携帯工具や替えチューブのパンク修理キット類を装着。ブルベ用の装備として約1kgは重量が増加しています。ホイールは完成車付属のホイールとカンパニョーロのゾンダで約350g程度の差です。車体重量は確実に増加しているのですが、カンパニョーロゾンダのホイールを装着した状態の方が走りは軽かったです。

3本ローラーによる試走で特に変化が顕著に

外での実走は風であったり体のコンディションで左右されるため、ホイールの変化は感じるもののイコールコンディションでのテストではないため確証は得られにくかったのですが、3本ローラーでテストした時はホイールの変化を確実に感じる事ができました。テスト環境は完成車付属のホイール、ゾンダのホイール共に空気圧はタイヤ指定の空気圧に調整、ギアはフロントインナー34T固定でケイデンス70~90あたりで漕ぎ出し、25km前後の巡航、ダンシングでそれぞれテストしてみたところ完成車付属のホイールよりカンパニョーロのゾンダの方が漕ぎ出し、25km前後の巡航、ダンシングでそれぞれギア1枚分程度のペダルの軽さを感じる事ができました。

ブルベではホイールも消耗品という考え方が必要

ブルベのような長距離のサイクリングイベントに出るようになると、ロードバイクのフレームも含めてありとあらゆるパーツが消耗品であるという考え方が必要になります。それはブルベに参加するようになると年間で数千kmから数万kmも走行することが当たり前になり、特に駆動系は1年に1回は新品に交換するのが当たり前になるからです。ホイールも例外ではなく数千kmも走行すればスポークのテンションがズレてきてテンションを調整し直したり、時にスポークが折れる事によりスポークを交換する時もあります。また、落車してしまってホイールが歪んでしまい使用不可になったり新調する場合もあります。ブルベでロードバイクを使用する時はホイールも消耗品としてトラブルがあった時にはいつでもホイールを交換する位の気持ちで使用する覚悟が必要です。

ブルベに求めるホイールの条件とは

ブルベのような過酷な長距離サイクリングでホイールに求める条件とは何でしょうか。まずはどのような道路状況を走行するかわかりませんのでリムやスポークが丈夫なものである必要があります。これは前提条件になります。数百kmの走行でリムが歪んだりスポークテンションが下がってホイールの剛性が弱まるようなホイールではブルベではとても耐えられないでしょう。また、雨天や荒天時の走行でもきちんとブレーキが効くホイールであることも必要です。ブルベは雨天でも普通に開催されます。カーボンホイールで雨天だと急激に制動力が落ちるようなホイールではブルベで走行するのには適さないでしょう。

ブルベにおすすめのホイールはアルミリム

現状少しでも走りを軽くして、ブルベで楽に巡航して走りたいならおすすめなのはアルミリムのホイールです。カーボンホイールも雨天時の制動力が上がってきてはいますが、落車時のホイールへのダメージや消耗品としてカーボンホイールを使用するのはまだ敷居が高いと思います。カーボンホイールを消耗品として使い潰す事ができる経済力のある方ならカーボンホイールでも問題はありませんが、その際は雨天時でもきちんとブレーキが効くセッティングにする必要があります。完成車のホイールではホイールが重すぎる、足元重量を軽量化して少しでも走りを軽くして楽をしたいならば、比較的金銭的に抑えることができ、消耗品として使い潰すことができるアルミリムの方が使い勝手はいいでしょう。

ブルベにおすすめのアルミリムの完組ホイール

ここからはブルベに使用する時におすすめできるアルミリムの完組ホイールを紹介します。価格帯は様々でご自身の懐事情にあわせてホイールを選んでみてください。基本高価なホイール程軽量で足元重量が軽くなり走りは軽快になります。しかし、ブルベで使用する場合はホイールも消耗品であるということを忘れずいつでも買い直す事ができるレベルのホイールを選択することをおすすめします。

カンパニョーロ ゾンダ C17

多くのプロライダーが練習用として選び続け、一般のサイクリストでも最初に買い換えるホイールの人気No.1と言えるホイールがカンパニョーロのゾンダです。レース用途としては普通のホイールですが、ブルベでは立派な決戦用ホイールとして使用できます。トータルバランスが良く踏めば適度な剛性できちんと反応してくれてワイドリム化したことで25Cサイズのタイヤとの相性も良くよく転がるホイールです。

ブルベ用のホイールにCampagnoloのZONDAのホイールを購入しました。ワイドリム化して23Cタイヤは非対応となりました。ワイドリム化でどう変わったのか?カンパニョーロのゾンダのポテンシャルについて説明したいと思います。

カンパニョーロ シャマルミレ

カンパニョーロのアルミリムの最上級グレードのシャマルミレです。リムとハブの表面部分をプラズマ電解酸化加工されており、ブレーキが良く効きウェットコンディションでも安定した制動力を発揮してくれます。重量も前後合わせて1500gを切っておりかなりの軽量化が可能です。レースでも十分決戦用として使えますが、ウェットコンディションでも使用できるということでブルベでもその性能を十分発揮させることができるでしょう。

フルクラム レーシング3

軽量化と最適化への細やかな拘りを重ね続けるフルクラムのレーシング3は、よくカンパニョーロのゾンダと比較されます。フルクラムのレーシング3はカンパニョーロのゾンダより剛性が高いと言われますが、その理由はリアのスポークの張り方の違いによるところが大きいです。フルクラムのレーシング3はゾンダに比べてリムに等間隔に近い間隔でスポークが張られており、このスポークの張り方の違いがホイールの剛性の違いとなって表れています。ゾンダとの剛性の差は僅かですが、この剛性の差がブルベのような長距離では脚へのダメージとなって表面化してきます。ご自身の脚力に合わせてゾンダかレーシング3を選択するといいでしょう。

フルクラム レーシングゼロ C17

フルクラムのアルミホイールの最高峰がレーシングゼロです。ハブはカーボン製(Fのみ)、USBセラミックベアリング採用で軽量化かつ剛性アップにも貢献しています。フルクラムのホイールもカンパニョーロと同じくワイドリム化され適合タイヤサイズは25C以上となっていることに注意してください。前後重量は合わせて1500g以下の超軽量ホイールでカンパニョーロのシャマルミレと同等の軽量化が可能です。

シマノ WH-9100-C24

シマノホイールのデュラエースグレードで最上級グレードのアルミホイールです。前後重量は驚異の1400g以下。ブルベで使用するにはかなり高価なホイールですが、走りの軽快感からブルベでも結構な使用率があるホイールでもあります。シマノのホイールはハブの回転性能が優れていてデュラエースのこのホイールは特にハブの回転性能が優れています。経済的に余裕がある方はこのホイールにしておけばブルベを楽に走破することができるでしょう。

シマノ WH-R8000

プロレース向けのテクノロジーを日常のライディングレベルへ落とし込んだシマノのアルテグラグレードのホイールです。ホイールの前後重量は1600g台ですがハブはシマノ製でよく回るハブのため完成車に付属しているホイールよりは確実に軽快に走る事ができます。リムの高さも適度でオールラウンドに使用できブルベの使用でも十分耐えうる実用性を兼ね備えています。

シマノ WH-RS81-C24

軽量のアルミリムをカーボンラミネート技術で補強した軽量ホイールです。リムや作りはデュラエースと共通でハブだけRS81独自のハブが使用されています。前後重量は1500g以下で、この価格はかなりのお買い得モデルです。シマノ製のホイールで軽量化と剛性のバランスを考えるとかなりベストなホイールです。

マヴィック キシリウム プロ

マヴィックのホイールは種類が多くて、どのグレードがどの位の性能なのかわかりづらいですが、このキシリウムプロはマヴィックの中で最上級グレードの中で一番下のモデルになります。キシリウムシリーズの最上級はキシリウム プロ エグザリットというモデルです。キシリウムプロはワイドリムで25Cタイヤが推奨となっており、前後重量も1500g以下とバランスのとれたホイールです。マヴィックのホイールにはタイヤとチューブが付属してきますが、このタイヤを高性能なタイヤにすることでさらに戦闘力を高める事ができます。

マヴィック キシリウム エリート

完全に設計を新しくしたマヴィックのミドルグレードのキシリウムエリートです。ワイドリム化されて対応タイヤサイズは25Cサイズが推奨されています。レース向きのホイールですが前後重量1500g台でアルミリムであることを考えるとブルベでも十分使用に耐えるスペックを備えたホイールです。マヴィックのホイールにはタイヤとチューブが付属しますが、ブルベで快適に乗る事を考えた時にはタイヤも乗り心地の良いタイヤに交換することをおすすめします。

マヴィック キシリウム

マヴィックのホイールの最下位グレードですが、定番となるロングセラーモデルです。キシリウムもワイドリムで対応タイヤサイズは25Cとなっています。前後重量は1700g以下と他メーカーよりは重量面で優位性はありませんが完成車付属のホイールから初めて交換するホイールとしてはお手頃な価格です。

実売5万円台のホイールでも走行性能の底上げが可能

20万円台のミドルクラスのロードバイクの完成車には、前後合わせて1900g台で価格にして2万円前後のホイールが装着されています。2万円というとシティサイクルが買える値段ですが、ロードバイクのホイールとしては最廉価となります。ミドルクラスのロードバイクに乗っている人は実売5万円前後のホイールに交換するだけでも十分走行性能を向上させることができます。逆にミドルクラスのロードバイクに前後20万円の高価なホイールを付けるとフレームが性能的に負けてしまってバランスが悪くなってしまう場合もあります。カーボンクリンチャーのホイールも多くリリースされているため、このロードバイクのフレームとのバランスを気にする方も多いかと思います。

ロードバイクのフレームの剛性とのバランスを考えるなら、フレームに使用されている素材の剛性に合わせてホイールのグレードも考えるとトータルのバランスを維持しやすいです。アルミリムホイールの場合、最上級グレードとミドルグレードのホイールの違いはハブの回転性能や重量面で剛性に関してはさほど違いは出てきませんが、カーボンホイールにする場合はフレームの剛性とカーボンホイールの重量と剛性のバランスを考えて交換を考える必要があります。

個人的にはブルベに使用するなら消耗品であることも考えて、実売5万円から10万円前後のアルミリムホイールが気軽に使用できて丈夫かつ使い潰すこともできると考えています。それ以上の価格帯になるとブルベでの使用に躊躇してしまうと思います。本格的にブルベに参戦すると年間で多くて1万km位は走ることになります。ホイールによりますがアルミリムでいくら丈夫なホイールとはいえ、ホイールもリムがブレーキングにより消耗してきたら寿命になります。その寿命はおおよそ4万~5kmです。そう考えるとおよそ5年でホイールの寿命がくることになります。実売5万円前後のホイールなら年間1万円のコストです。そう考えると5万円クラスのホイールはブルベで使用するのに実用的な価格帯のホイールと言えそうです。

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