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ミドルグレードのカーボンクリンチャーホイール

Last Updated 2020.12.25

ミドルグレードのカーボンクリンチャーホイールが激戦

ミドルグレードのカーボンクリンチャーホイール
2017年のロードバイクのトレンドはワイドリム化の他、カーボンクリンチャーホイールの進化にも注目です。一昔前はカーボンホイールというとチューブラーが主流だったのが、最近のカーボン成型技術とクリンチャータイヤの進化も相まってカーボンのクリンチャーホイールが一気に台頭してきました。クリンチャーホイールということで、レース志向のロードバイクユーザー以外の一般のロードバイク乗りでも使い勝手が良く広く普及していきそうな勢いがあります。そんなカーボンクリンチャーホイールの中で、ミドルグレードの価格帯のおすすめのホイールを紹介していきます。

フルクラム スピード40 クリンチャー

フルクラムのスピード40クリンチャーは、フロントハブはカーボン胴になっていますがリヤハブがアルミのUSBハブとなっています。商品構成としてはチューブラーホイールが上級者向け、クリンチャーホイールが中級者向けと大きく分けることができます。その中のスピード40クリンチャーはフルクラムのカーボンホイールのラインナップの中では中級者向けモデルとなります。一言で言うとピュアレーシングホイールで中速域からはペダリングとホイールの一体感が強くでてきて、高速域になってもハブからリムまでが一つの構造になっているようなソリッドな感覚があります。レスポンスが良くリムの硬質さから来る乗り心地の硬さやハンドリングのシビアさをメリットととるかデメリットと取るかは乗り手で分かれる乗り味です。かなりのレーシング向けモデルです。

フルクラム スピード40 クリンチャー
実測重量:フロント616g、リア777g(クイックなし、シマノフリー)
スポーク:フロント18本、リア21本
リム高:40mm
リム幅:24mm
価格:242,000円

フルクラム レーシングゼロ カーボンクリンチャー

フルクラムのレーシングゼロのアルミリム部分をカーボンリムにしたモデルです。カーボンリムにしたことでアルミのレーシングゼロよりさらに軽量化し、その重量は前後合わせて驚異の1357g(実測)です。リムはカーボンですが、スポークはアルミ製となっておりカーボンホイールの中ではありそうでなかった設計のホイールです。リムハイトは30mm、リム幅は24mmでオールラウンドなリムハイトに流行のワイドリムを採用しています。スポークパターンやハブはアルミ版のレーシングゼロと同じ設計です。25Cタイヤに最適化されていることで乗り味はカーボンホイールながらマイルドになっています。スポークがアルミでリムがカーボンという組み合わせがうまく融合しており、カーボンホイールならではの振動吸収性にも優れています。上りやアップダウンにおいてもホイールの軽さと反応性の高さに優れており、山岳コースをハイスピードで駆け抜けたくなる疾走感があります。

フルクラム レーシングゼロ カーボンクリンチャー
実測重量:フロント584g、リア773g(クイックなし、シマノフリー)
スポーク:フロント16本、リア21本
リム高:30mm
リム幅:24mm
価格:240,000円

カンパニョーロ ボーラワン 35

カンパニョーロのボーラウルトラ35クリンチャーの廉価版がボーラワン35です。ハブがカーボンからアルミ製になっており、ベアリングがフルセラミックとオイル潤滑のCULTベアリングからボールのみセラミックでグリス潤滑のUSBベアリングとなっています。リムの作りやスポークパターンはボーラウルトラ35と同じ設計になっています。リムハイトは35mm、リム幅は24mmでカンパニョーロ独自のG3スポークパターンはボーラウルトラ35と同じです。性能としてはカーボンクリンチャーのベンチマーク的立ち位置で、加速性、高速巡航性、快適性、制動性、ハンドリングにおいて高い次元でバランスが高い万能性の高いホイールになっています。硬さは感じないのにスーッと柔らかく転がっていく軽さは、上りでも高速域でもオールラウンドな性能を発揮します。スプリント時等の高トルクをかけた時だけリムの柔らかさが現れますが、これを弱点と取るかバネ感があると取るかは乗り手によります。リムハイト35mmながら横風でも大きな挙動の変化を起こしにくいので楽にライディングできます。

カンパニョーロ ボーラワン 35
実測重量:フロント604g、リア789g(クイックなし、シマノフリー)
スポーク:フロント18本、リア21本
リム高:35mm
リム幅:24mm
価格:240,000円

マヴィック キシリウムプロ カーボンSL クリンチャー

コスミックプロカーボンSLクリンチャーと同時に発表されたフルカーボンクリンチャーのキシリウムモデルです。ハブやスポーク周りの設計は2016年モデルのチューブラーと同じですが、このクリンチャーモデルはリム幅が24.5mmとワイドリム化されています。ブレーキ面には、レジンを焼いて炭素繊維とブレーキシューを接触させることで高い制動性能と耐熱性を実現するiTGMax加工という技術が用いられています。チューブラー版のキシリウムSLは評判が良かったのですが、クリンチャー版のキシリウムプロのカーボンSLは全体的に重い印象があります。路面とのコンタクトが強く軽快感に欠けるようです。転がり感の強さはマヴィックならではの巡航走行を後押ししてくれますが、速度や地形の変化が大きくなると軽快感が鈍ります。乗り心地やブレーキング、ハンドリングといったロードバイクの操作性に関しては性能は高く、安定感のある走りができます。しかし、上りや加速での軽快感は今ひとつで、この部分が洗練されてくると一気にポテンシャルは上がります。

マヴィック キシリウムプロ カーボンSL クリンチャー
実測重量:フロント641g、リア834g(クイックなし、シマノフリー)
スポーク:フロント18本、リア24本
リム高:25mm
リム幅:24.5mm
価格:280,000円

ロヴァール CLX32

スペシャライズド社にある風洞実験施設で開発が行われたロヴァールの新作カーボンクリンチャーホイールです。リムハイトは32mm、リム幅は28mmとロードバイク用のホイールとしては異例のプロフィールの設計のホイールです。その結果ローハイトらしい俊敏性を維持しつつ、リムハイト以上の空力性能を持たせることに成功したそうです。旧作となる40mmハイトのCLX40より空力性能は上だそうで、ハブも空気抵抗の低減を意識した結果の形状となっています。スポークの張力が高く、リムが硬質でパリッとしたドライな感触があります。その中に少しウェットな部分があり、そのお陰でハンドリングに柔らかさが出て安定感があります。今までのロヴァールと方向性が変わって、基本的には硬さで軽く走るホイールになっています。基本性能は高く、加速と巡航、上りまでスピード関係なく同じような軽快感があります。乗り心地は硬めでタイヤの空気圧を調整して乗り心地を調整するとマイルドな乗り心地にすることができます。

ロヴァール CLX32
実測重量:フロント576g、リア758g(シマノフリー)
スポーク:フロント16本、リア24本
リム高:32mm
リム幅:28mm
価格:255,000円

ジップ 202ファイアークレスト カーボンクリンチャー

ZIPPのホイールはどのモデルも40万円オーバーの高級ホイールのイメージが強いですが、カーボンクリンチャーでも20万円台と比較的手が出しやすいファイアークレストシリーズも併売されています。よりハイトの高い303や404はリム幅が約28mmですが、リムハイト32mmの202はリム幅25.4mmと25Cタイヤが使いやすいリム幅の設定になっています。リムは適度な肉厚と密度でしっかり感があり、ホイールの剛性も十分あります。入力に対する反応性も素直で転がりの強さもあるので、軽く滑らかにバイクが進みます。アップダウンのあるコースでの軽快さが魅力です。体重のあるライダーがトルクをかけると若干のねじれを感じるかもしれませんがねじれの戻りは素早く硬いのでパワーロスは最小限に抑えられます。

ジップ 202ファイアークレスト カーボンクリンチャー
実測重量:フロント656g、リア846g(クイックなし、シマノフリー)
スポーク:フロント18本、リア24本
リム高:32mm
リム幅:25.4mm
価格:フロント120,500円、リア144,100円

ブラックインク サーティCクリンチャー

デンマークの新興ホイールメーカーのブラックインクのミドルハイトのカーボンクリンチャーホイールです。太めのタイヤに最適化された26mm幅のワイドリムに、ストレートプル仕様の自社製ハブを組み合わせて、そこにセラミックスピード社製のセラミックベアリングを入れるという拘りのある設計で人気が高まりつつあります。薄すぎない適度な肉厚のリムと硬すぎないホイール剛性が絶妙にバランスを持っており、ワイドリムになったことで走りの印象はかなりポジティブになりました。リム部分に軽さがあり、ホイールのしなりを上手に活かした走りはカンパニョーロのボーラに似た感覚があります。特に上りではペダリングのリズムが掴みやすく、軽く滑らかにバイクが進みます。乗り心地も良くハンドリングもニュートラルでバランスの良いホイールに仕上がっています。

ブラックインク サーティCクリンチャー
実測重量:フロント658g、リア797g(クイックなし、シマノフリー)
スポーク:フロント20本、リア24本
リム高:30mm
リム幅:26mm
価格:230,000円

ミドルグレードのカーボンクリンチャーは粒揃い

今回紹介した20万円台のカーボンクリンチャーホイールのミドルグレード帯のホイールは、どれも価格と性能のバランスが良く高価格帯のハイエンドモデルに負けないくらいのパフォーマンスを持っているホイールが多いのが特徴です。ホイールの方向性も軽量化に特化したモデルもあれば、走りの軽快感に特化したモデルやオールラウンドにバランスの取れたモデルと、ご自身の走りの目的に合わせて選べる種類が揃っています。価格は安くなってきたとは言え、エントリーグレードのカーボンロードバイクが買える価格なのでそう簡単には手は出せませんが、このグレードのホイールを体感したらアルミホイールとの走りの違いは確実に体感できると思います。カーボンクリンチャーのホイールは2017年に一気に進化しました。さらにクリンチャータイヤの進化と相まってホイールとタイヤの組み合わせによってはチューブラーよりも高い走行性能が期待できます。ミドルグレードのカーボンクリンチャーホイールは種類が豊富になってきていますので、今後価格競争が起きて価格が下がってきたら1セットは決戦用として購入するのも良いと思います。

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カーボンクリンチャーホイールも10万円台のモデルが出てきました。10万円台のカーボンクリンチャーホイールは果たして使えるのか。注目のカーボンクリンチャーホイールのエントリーグレードを紹介します。

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