Last Updated 2021.01.28
ろんぐらいだぁすの高宮 紗希のロードバイクは女子大生の乗る仕様ではなかった
ろんぐらいだぁすという長距離サイクリングを題材にしたアニメをご存知でしょうか?
弱虫ペダルの影響もあり自転車を題材にしたコミックやアニメが結構盛んな今日このごろ。
ろんぐらいだぁすは自転車を題材にしたアニメなのですが、特に長距離サイクリングというカテゴリーに絞って描写されています。
概要を説明すると大学1年生の主人公がミニベロを買ってサイクリングに行くのですが、周囲の仲間はみんなロングライダー。
主人公も結局影響されてロードバイクを購入。ここまでは実際にもよくあるあるですね。
主人公は周囲の話を聞いていると、ブルベ、フレッシュという単語を聞いて長距離サイクリングの世界に染まっていくことになっていきます。
そして目標は仲間とチームを組んでフレッシュ完走を目指すという内容です。
アニメ自体は2度の放送延期と12話完結の予定が10話で民放では打ち切り。残り2話はネット放送かOVAというDNFですね。残念な結果となってしまいました。
そのアニメを見ていて私が注目したのは高宮 紗希という子で、アニメでは渋峠頂上まで主人公たちは車でドライブで来ていた所、高宮 紗希はロードバイクで自走で渋峠頂上まで登頂したところで出会いました。
その高宮 紗希のロードバイクの装備がとてもブルベ等長距離サイクリングの装備を考える上で参考になりました。
高宮 紗希のプロフィール
ろんぐらいだぁす!のメインキャラクターの一人で、主人公倉田亜美の通う大学の先輩。
趣味はロードバイクで各地をツーリングすること。渋峠をロードバイクで自走で登頂したところで、倉田亜美と新垣葵と遭遇するの最初の出会い。その後、西條雛子と一之瀬弥生の紹介で再会し交流するようになる。黒髪ストレートに後頭部をリボンで纏め尻尾状にしている。
ロードバイクでツーリングしすぎて、大学の授業の単位が危ない。
食いしん坊でソロツーリングの時はご当地グルメを求めて、寄り道することもしばしば。
ロードバイクの走力は相当あり、千葉から九州まで横断したこともある。
目標はパリ・ブレスト・パリ完走。そのために日々各地をツーリングして色々な経験を積む事に情熱を燃やしている。
愛車:MK01
CV:日笠陽子
高宮 紗希のロードバイクの装備考察
上図の写真が高宮 紗希のロードバイクの参考画像です。
実際にコミックマーケット(コミケ)で100万円で受注生産されていたそうです。
ロードバイクを知らない人からしたら、なんで100万円?ロードバイクに100万円ってアニメ仕様だからプレミア価格?と誤解を招くことでしょう。
しかし、ロードバイクを知っている人が見たらおいおいこれ女子大生が乗るロードバイクじゃないだろうとツッコミどころ満載です。
そうクランクを見てピンと来た方は多いでしょう。シマノのコンポーネントの最上位デュラエースで組んであるのです。
しかも、フロントディレーラーに注目してください。なんと電動式のDi2仕様なんです。おいおいって感じです。
ロードバイクのコンポーネントについては下記の記事をご覧ください。
コミケでの受注生産仕様はシマノの9100系新型デュラエースのdi2仕様なのでクランクは黒色基調になってしまうのですが、私としてはあえて9000系デュラエースで統一してほしかったところです。
フレームもダウンチューブの太くて平ぺったい感じからしてキャニオンぽいフレームだなと感じるのは個人の感想です。
それは置いておいて。高宮 紗希のロードバイクに装着されている装備が、ブルベをやりたい人や長距離サイクリングをする人には参考になるところです。
まずはハンドル周りから。
ハンドル上下のライトはジェントスとキャットアイのライト
ハンドル下のシルバーの円筒状のものが写っていますが、これはおそらく登山者が良く使うであろう汎用LEDライトのジェントスだと思われます。
ベルクロでハンドルにライト等を取り付けるアダプタがあったと思うのでそれを使って2灯取り付けています。
それとハンドル上に付いてるライトは、おそらくキャットアイVOLT800だと思われます。違う角度の写真で円筒状だったのでほぼ間違いないでしょう。
なぜ、VOLT800と言い切れるのかというのはまた別のブルベの装備の考察記事で書こうと思います。
ロードバイクのヘッドライトにVOLT800をおすすめする理由
ハンドル周りのサイコン・GPS
ハンドルのアウトフロントにマウントされたサイコンですが、ライムグリーンですね。
これはおそらくgarminのEdge 1000Jにライムグリーンのシリコンケースを被せてあるものと推察しました。
もう一つのハンドル・ステムに付いているサイコンですが、作者がブルベの世界に精通しているとしたらgarminの登山者等が使うハンディGPSのeTrex 30あたりだと思われます。
ロードバイクに何故登山用GPSなの?と思われる方も多いと思います。
私もブルベの世界を知るまで、登山用のGPSなんて全く知りませんでした。
ロードバイクに何故登山用のハンディGPSを取り付けるか?それは、電池式駆動で25時間という長時間稼働させることができるからです。
しかも電池式なので充電池を予備で持っておけばいくらでも稼働させられるのです。しかも完全防水仕様。
ロードバイクに乗っている方でgarminのサイコンGPSを持っている、または知っている方ならご存知だと思いますが、garminのサイクリング用GPSは内蔵充電池式でエコ稼働させてももって15時間が限界なんです。
それがgarmin eTrexになるとエネループ等の充電池を併用すれば600km 40時間でも余裕で稼働させることができるわけです。
非常にニッチなニーズではあるのですが、ブルベの世界ではこのgarmin eTrexは定番だったりします。
このニーズのためにgarmin eTrexをロードバイクのハンドルやステムにマウントするためのアダプタも販売されていたりします。
完全防水・長時間駆動というキーワードはブルベを始めようと思っている方は覚えておいて欲しいキーワードです。
最低でも13時間、長ければ40時間から90時間走り続けることになるブルベ。
充電池式ならいかに給電して稼働させるか。電池式なら予備の電池はどうするか。
ロードバイクのレース志向の方ならいかに車体重量を軽くするかを考えますが、ブルベや長距離サイクリング志向の方は真逆で、装備をいかに充実させて車体が重くなっても万全な体制にするかという考え方になります。
長距離でも速く走れる方なら装備も削ってかなり軽量化できますが、大抵の人は仮眠や着替えも含めてかなり装備を整えることになりますので、レース志向の方とは本当に真逆の考え方になるのがとても興味深いです。
ダウンチューブ下の第3のボトルケージ増設
私が注目した点の一つがこれです。第3のボトルケージ増設。
高宮 紗希のロードバイクでは直接フレームにボトルケージを取り付けている描写のように見えます。
しかし、大抵のロードバイクのダウンチューブ下にはボトルケージを取り付けるボルトやボルト穴はありません。di2のバッテリーを止めるボルトがあるのは例外です。
トライアスロンバイク等ではたまにダウンチューブ下にボトルを止める仕様になっているのもあるのですが、普通のロードバイクには無い。
探しましたよ。そしてありました。第3のボトルケージを取り付けるためのアイテム。
ELITE(エリート)VIP(ヴィップ) ボトルケージクリップ
ダウンチューブ下にボトルケージを取り付けて、そこにツールケースなんかを挿しておくっていかにもロングライダーぽくないですか?
私は見た目で買いました。はい。見た目から入るタイプなんです。
じっ実用性もあるんですよ。夏場なんかボトル2本体制にするとツールケースなんかを挿しておくスペースが無くなるじゃないですか。
そうなるとツール類をサドルバッグの方へ移動することになるわけですが、できるならサドルバッグのスペースは着替えやタオルやらで確保しておきたい。
そんな時のダウンチューブ下の第3のボトルケージです。
私のロードバイクも現在上記のボトルケージクリップを使って第3のボトルケージを増設して、ボトル2本にツールケースの体制にしています。
クランクであったり、タイヤに干渉するのではないかと思われるのですが、これが意外とクリアランスがあってクランクやフロントのチェーンリングとも干渉しないし、もちろんフロントタイヤとも干渉しないんですよ。
これは私のジャイアントのTCR Advanced 2の場合であって他のロードバイクも同様ではないわけですが、amazonで1400円くらいですし試す価値はあるカスタマイズだと思います。
ブルベライダーやこれからブルベをやろうと思っている方にもオススメしたいカスタマイズです。
個人的にはカッコイイと思ってます。なんか通っぽくないですか?そうでもない?すみません。
サドルバッグは今流行りのバイクパッキング
サドルバッグも大きくて目立ってますね。
レベレイトデザイン ビスカチャです。
アメリカが発祥のロードバイクの荷物の積み方の考え方でバイクパッキングという思想です。
ランドナーの自転車でリアにキャリアを取り付けて、サイドにパニアを付けて自転車旅行はもう古い。
これからはロードバイクでも、大きな荷物を積んで自転車旅行に行っちゃおうよという発想から生まれたサドルバッグです。
特徴は何と言ってもその容量。このレベレイトデザイン ビスカチャは最大14Lの容量があります。
後発のサドルバッグでは最大容量17Lなんてものもあります。これだけあれば2泊から3泊の荷物は余裕で積めると思います。
日本国内のブルベシーンではまだ浸透していませんが、PBPの映像を見るとこのバイクパッキングの思想を取り入れたロードバイクをちらほら見ることができました。
サドルバッグに重い荷物を詰め込んだらダンシングした時とか振られて走りづらくならないかなとも思ったのですが、意外にダンシングしてても不自然さはなかったので荷物の積み方を工夫すれば問題ないのでしょうね。
このサドルバッグは600kmまでのブルベでは必要性は無いかなというのが個人的な考えですね。
自転車旅行するときには購入を検討しますが、今のところはまずは200kmブルベ完走が目標なのでそのための装備を充実させることと日々ローラー台に乗って己を鍛える事が優先事項ですね。
バイクパッキングについて大型サドルバッグの記事については下記をご覧ください。
シートステイのフレアーライトはいただけない
一つ残念なのがシートステイに取り付けられたテールライトですね。
フレアーライトと呼ばれるものなのですが、結構付けているローディの方はいるのですが、ブルベ思考で考えるとNG項目でした。確かに照射範囲が広いので一見視認性が高いように見えますが、フレアーライトはブルベの規定(日本国内)ではテールライトとしては認められてないんですよね。アニメではブルベ中では無くただの長距離サイクリング中の描写なのでこのフレアーライトにしたのかもしれませんが、題材がブルベ・フレッシュとしている以上通常のサイクリングの描写でも拘ってほしかったなと思う点ではあります。
シートステイ左右にテールライトを取り付けてあったら100点の装備でした。
ろんぐらいだぁすの高宮 紗希のロードバイクの装備を例にブルベの装備について考察してみました。
ブルベに限らずロングライドしたい方にはとても参考になる装備だと思います。
ブルベや長距離サイクリング、ツーリングに興味がある方は下記の記事を参考にしてみてください。